ユベントスの動きは早かった。ただちに後任人事に動き、マッシミリアーノ・アッレグリの招聘を決めたのだ。
 
　もっとも、リボルノ出身の46歳の指揮官は、今年１月にミランの監督を解任されており、コンテの喪失感に苛まれるユベンティーノはこの決定に納得してはいない。そもそも、ミラン監督時代にユベントスを批判したり挑発したりする発言を繰り返しているアッレグリを、ユーベファンは快く思っていなかった。
 
　アッレグリは就任会見で、
「プロ精神をもって、己を無にして働き、公正な態度で信用を勝ち取りたい」
　と抱負を述べたが、はたしてユベンティーノの信頼を得られるのだろうか。
 
　それでは、アッレグリの下で、ユーベは戦力的、戦術的にどう変わるのか。新指揮官はしっかり時間をかけて、現有戦力をまずは評価・査定する意向だ。焦りは禁物というわけだ。どんなシステムを用い、どんな顔ぶれで戦うのか、したがって全貌が見えるのはもう少し先となる。
 
　今夏に獲得した新戦力は、FWのアルバロ・モラタ（レアル・マドリーから）と左SBのパトリス・エブラ（マンチェスター・ユナイテッド）。ともに就任前に獲得が決まっていたこの２人を、アッレグリも高く評価している。そして来週にはウディネーゼからロベルト・ペレイラの獲得が合意に達する見込みだ。ペレイラは中盤や前線、さらにはサイドでも機能するマルチロールだ。
 
　新戦力をどう取り込み、新生ユーベをどう形作るのか。いずれにしても、まずはアッレグリのお手並み拝見だ。
 
文：ロメオ・アグレスティ
翻訳：神尾光臣