必然だった森保ジャパンのPK獲得、マレーシアの守備はあまりに無謀過ぎた

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2018年08月25日

上田が示した愚直さは、今後に向けて大きな意味を持つはずだ

上田(15番)が自ら獲得したPKを沈めて勝利の立役者に。写真:徳丸篤史

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 その拮抗を土壇場で破ったのが、76分に途中出場した上田の飛び出しと、自ら決めたPKだった。グループステージではチャンスを外し続け、日本の苦戦を招いた上田。その彼が試合後、NHKのインタビューで語ったことは印象深い。
 
「自分はFWなのでシュートを打つのが仕事ですし、点を決めるのが仕事なので、いくら外しても打ち続けなければいけない。入るまで打たなければいけないポジションなので、いつかは決める。そういう強い気持ちを持って、この大会に臨みました」
 
 グループステージで評価を落としていた上田が、このマレーシア戦で大きな仕事を果たした。たとえ何本外しても、最後に重要な1本を決めれば、ストライカーの評価はひっくり返る。まさしく、結果で判断されるポジションである。
 
 しかし、そんなポジションだからこそ、結果に引きずられてはいけない、という面もある。外しても、次も打つ。前の試合でいくら外しても、入るまで打つ。周りが白けても、どこ吹く風。時にストライカーは、愚直なアホさ、鈍感さが必要だ。結果が出ていない時は、なおさらである。
 
 そのストライカーの愚直を、上田のプレーにも感じた。
 
 88分にマレーシアのゴールキックを回収した後、松本泰志がサイドに開いてボールを受けると、上田は裏のスペースを狙って動き出した。ボールサイドのDFの背中を取り、中から外へ飛び出すと、追走するDFからファウルを受け、PKをゲット。まるで上田が2ゴールを挙げて勝利に導いた6月のトゥーロン国際、U-19ポルトガル戦のリプレイを見るかのようだ。PKもまったく同じ。右隅上部に、ズドン。
 
 グループステージで外し続けた上田が、ネガティブな記憶に引きずられず、体現した強さ、鈍感さ。彼自身も「いくら外しても打ち続ける。入るまで打たなければいけないポジション」という覚悟を持っていた。
 
 ストライカーの愚直を、日本代表の期待とプレッシャーを背負いながら示した。その意味は決して小さくない。今後に向けても。
 
文●清水英斗(サッカーライター)
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