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【総体】あと一歩で逃した全国制覇…"天国から地獄"を味わった桐光学園の主将が誓った冬のリベンジ

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2018年08月14日

「冬に向けてより強固な守備を作り上げて行きたい」

 そして、悪夢はこれだけでは終わらなかった。延長前半の75分、中央から左サイドに流れた宮崎にパスが届くと、宮崎はそのままドリブルで突破した。
 
「(宮崎の折り返しは)どこに合わせて来る?」
 
 中央で望月が探った瞬間、ニアに走り込んで行くFWの姿が見えた。
 
「内田と僕の間にいたFWがニアに勢いを持って入って行ったので、いつもなら内田とマークの受け渡しが出来て、あのシーンは本来なら内田がマークに行って、自分が残る形だったのですが……。切羽詰まってしまっていて、受け渡さずに自分も行ってしまった」
 
 この望月の判断は決して間違ってはいなかった。危険を察知してふたり掛かりで潰しに行ったに過ぎなかった。しかし、宮崎はシュート性のクロスを打ち込んで来た。
 
 強烈な勢いを持って飛んで来たボールは、FWには合わなかった。しかし、望月の身体に当たって、そのままゴールに吸い込まれた。痛恨のオウンゴールとなってしまった――。

 逆転を許し、桐光学園は追いつくことが出来なかった。天国から地獄に一気に突き落とされ、望月はそのなかでも一番ショッキングな運命を味わされることになってしまった。
 
「純真には絶対に仕事をさせたくなかった。内田と話をして、徹底的にプレスに行こうと話していました。失点以外は上手く出来た。失点以外は……。でも、純真に決められてしまったので、全部水の泡でした。本当に悔しい」
 
 打ち拉がれた表情で、悔しさと責任感を口にする望月。だが、決してこの試合の彼のプレーは『水の泡』ではない。準決勝は2度に渡る雷の中断で、キックオフから6時間後に試合が終了する異常事態の中で、キャプテンとして周りを盛り立て続けた。決勝でも身体を張った気迫の守備を見せ、チームを支えていた。
 
 最後の最後で疲労困憊の彼に、サッカーの神様が残酷な試練を与えた。それに過ぎなかった。
 
「もっとふたりで話し合って、冬に向けてより強固な守備を作り上げて行きたいと思います」
 
 胸を張って欲しい。そして、より成長した姿を冬に見せて欲しい。試合後の望月駿介の姿は、本人の意とは異なり、非常に誇り高きものであったことを、ここで書き記しておきたい。
 
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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