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Jリーグの外国人枠問題に提言!「拡大には賛成だが、デメリットを吸収できる体制作りが先だ」【識者の見解#2】

カテゴリ:Jリーグ

西部謙司

2018年07月26日

横浜や神戸など、登竜門になりそうなクラブが出てきているが…

フッキのような有望株を集め、欧州に売るのはひとつの手だが……。(C)SOCCER DIGEST

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 ポルトガルのいくつかのクラブが、ブラジル人選手の登竜門になっている。ヨーロッパ進出への足掛かりとして、まず言葉の通じるポルトガルのクラブへ移籍し、そこで経験を積んでからプレミアリーグやリーガ・エスパニョーラのクラブへステップアップを目指すのだ。
 
 また、ウクライナのシャフタール・ドネツクも、歴史的なつながりがないにも関わらず、独自にブラジル人選手の登竜門的なポジションを確立した。
 
 こうした中間業者のようなクラブは、若いブラジル人選手を安価で獲得し、育てて高値で売って利益を得るビジネスを成立させている。世界の移籍市場の中で、Jリーグがそうした役割を担うという考え方は、十分にありだ。
 
 アジアを中心に若い才能を集めて経験を積ませ、ヨーロッパや中東に売る。ビジネスとしては現実的で、過去にはパク・チソン、フッキ、エメルソンなどの例もある。
 
 ただ現状で、Jリーグがヨーロッパへの足掛かりとして機能を果たせるかと言うと、少し心許ない。むしろ、直接ヨーロッパの2部や3部のクラブに行ったほうが手っ取り早いかもしれないのだ。
 
 シティ・フットボール・グループ傘下の横浜F・マリノスや、バルセロナとの関係を強化したヴィッセル神戸など、登竜門になりそうなクラブが出てきているが、彼らもすぐにポルトやシャフタールのようになれるわけではないだろう。
 
 外国人枠の即時撤廃にはそれほどのメリットがあるとは思えず、少しずつ、様子を見ながら枠を広げていけばいい。その間に世界のなかでのJリーグがどういう立ち位置であるべきなのか、そのために必要なものは何かを知って準備を進めていく。育成を阻害しないように、例えばルヴァンカップに年齢の上限を設けるなどの施策を実行する。まずは外国人枠撤廃によるデメリットを吸収できるような体制作りを進めたほうが、無難ではないだろうか。
 
文●西部謙司(サッカージャーナリスト)
 
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