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日本代表新監督の森保一とはどんな男か?旧知の記者が明かす珠玉のエピソードと指揮官としての力量

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2018年07月26日

単純なモチベーターではない。戦術構築能力も高く、常に先を見つめるプランニング能力もある

森保監督は単なる人格者ではない。広島時代は戦術変更も柔軟に行なう戦略家の一面も見せた。(C)SANFRECCE

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 この時の森保監督の「凄み」は、きっかけを与えた言葉にあるのではない。症状の苦しむ森崎浩との会話を、約1年に渡ってずっと続けていたことだ。
 
 兄の森崎和幸は、こう証言する。
「僕のように浩司の症状がわかっている人間でも、あいつの話をずっと聞くのはきつかった。ネガティブな話が多いし、聞いてて感情的になることもある。でも(森保)監督は違う。1時間以上、ずっとあいつの話を聞いてくれた。それだけでも凄い話なんです」
 
 森崎浩の言葉を聞こう。
「カズ(森崎和)ですら『もう、そういう話はやめようぜ』って言ってきたのに、監督はずっと辛抱強く聞いてくれた。他の仕事も忙しいのに時間を割いてくれた。僕の話を聞くだけでなく、自分のこともさらけだしてくれた。だから、僕も監督を信頼して自分の想いを言うことができたんです。監督……、というかカウンセラーですよね、森保さんは」
 
 ただ、彼は優しいだけの男ではない。広島でのコーチ時代、メンバー外になって気持ちが落ちていた若手に対し「やる気がないのなら、周りに迷惑だ。帰れっ」と激怒したこともある。

 監督就任4年目の2015年7月19日、対浦和戦。ここまで開幕から不敗を続けていた強敵はこの日も広島を圧倒。1-0というスコア以上の内容で前半を終えた。そのハーフタイム、ドレッシングルームで浦和に対して腰が引けた戦いをみせたチームに彼は激高。チーム最年長のミカエル・ミキッチに対し「何しとんなら!」と広島弁で怒鳴り、「相手が怖いんなら、いつでも替えてやる。縦に行けっ」と声を張り上げた。

 この叱咤がチームを燃え立たせ、広島は後半に逆転。優勝シャーレを手にする結果に繋げたのだ。
 
 現役時代は、今の稲垣祥のように相手にプレッシャーをかけてボールを奪うなど、インテンシティの高いプレーで日本代表でも活躍。ただ1998年、広島の財政事情によって京都に期限付き移籍すると、そこで「自分ではなく周りを動かしてチームの守備を引き締める」スタイルを習得する。進歩・進化のために惜しみなく研究を続ける姿勢は、指導者になっても変わらない。

 2012年の初優勝と2015年の3度目の優勝では、攻撃のスタイルは明確に違う。ボールをつなぐポゼッションスタイルへの徹底したこだわりから、ボール保持力を保ちつつも堅守速攻の色彩を加えた。単純なモチベーターではない。戦術構築能力も高く、常に先を見つめるプランニング能力もある。
 
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