グリエーズマンは両拳を突き上げて大爆笑を誘った
さて、次に現われたグリエーズマンにも決勝に向けた鋭い質問が次々と投げかけられ、最後にやはり、「私のことはいいよ!」と言うトゥルノン氏を尻目に同じ質問が出た。
するとグリエーズマンは両手の拳を突き上げ、「イエース! やっと彼が去ってくれるー!」と叫んでジョーク、大爆笑に包まれた。それから自然体に戻り、「フィフィはグランシュー(白雪姫に出てくる小人の“おこりんぼう”)さ」と語ってまた爆笑を起こし、「なぜ彼はこんなに重要な存在だったのか」と訊かれると、「だって記者会見のたびに、どんな質問が出るかを教えてくれたもん」と答えて、再び記者団の笑いを誘った。
さらに「やることなすこと良くて、たとえグランシューでもくどすぎないしね」と語ると、今度はトゥルノン氏も笑い出した。そしてグリエーズマンは「本当に素敵なヤツなんだ」と締めくくり、トゥルノン氏もこれを最後に立ち上がる。すると会見場には、異例中の異例とも言える記者団の大拍手が沸き起こった。
するとグリエーズマンは両手の拳を突き上げ、「イエース! やっと彼が去ってくれるー!」と叫んでジョーク、大爆笑に包まれた。それから自然体に戻り、「フィフィはグランシュー(白雪姫に出てくる小人の“おこりんぼう”)さ」と語ってまた爆笑を起こし、「なぜ彼はこんなに重要な存在だったのか」と訊かれると、「だって記者会見のたびに、どんな質問が出るかを教えてくれたもん」と答えて、再び記者団の笑いを誘った。
さらに「やることなすこと良くて、たとえグランシューでもくどすぎないしね」と語ると、今度はトゥルノン氏も笑い出した。そしてグリエーズマンは「本当に素敵なヤツなんだ」と締めくくり、トゥルノン氏もこれを最後に立ち上がる。すると会見場には、異例中の異例とも言える記者団の大拍手が沸き起こった。
トゥルノン氏は1983年から代表広報長を務めてきた「恐竜」だ。全国紙『L’Equipe』の大物記者から代表広報長に転身、ミシェル・プラティニ時代もジネディーヌ・ジダン時代も記者会見を仕切った。98年にはエメ・ジャケとともに世界王者になり、ジャケの自伝も共同執筆。ジャーナリズムと代表の両方を知り尽くした采配を続けた。レイモン・ドメネクによって一度は切り捨てられたが、ローラン・ブランが呼び戻し、ディディエ・デシャンも8年間、絶大な信頼を寄せてきた。
この日演壇を去った「恐竜」は、去り際に記者団に向かって、笑顔で3回投げキス。激辛批判と強烈皮肉で知られるフランス人記者たちの拍手は、その姿が消えてもまだ鳴りやまなかった。
17年間お世話になった私も、思わず感涙。胸が熱くなった記者たちの数は、きっと数え切れないことだろう。「さあショーの始まりだ」「次の選手は(内気だから)諸君の援軍を期待する」「日本人なのに遅刻したのか」といったトゥルノン節も、もう聞けなくなる。
レ・ブルーは日曜日、彼に至福の感涙を捧げられるだろうか。
取材・文●結城麻里
この日演壇を去った「恐竜」は、去り際に記者団に向かって、笑顔で3回投げキス。激辛批判と強烈皮肉で知られるフランス人記者たちの拍手は、その姿が消えてもまだ鳴りやまなかった。
17年間お世話になった私も、思わず感涙。胸が熱くなった記者たちの数は、きっと数え切れないことだろう。「さあショーの始まりだ」「次の選手は(内気だから)諸君の援軍を期待する」「日本人なのに遅刻したのか」といったトゥルノン節も、もう聞けなくなる。
レ・ブルーは日曜日、彼に至福の感涙を捧げられるだろうか。
取材・文●結城麻里