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フランス代表を支えた“恐竜”が去った日。異例の拍手と感動に包まれた「最後の記者会見」【ロシアW杯】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2018年07月14日

グリエーズマンは両拳を突き上げて大爆笑を誘った

およそ35年間、レ・ブルーの栄枯盛衰を見守り続けた日々。ついに74歳の“恐竜”は、愛するチームに別れを告げた。(C)REUTERS/AFLO

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 さて、次に現われたグリエーズマンにも決勝に向けた鋭い質問が次々と投げかけられ、最後にやはり、「私のことはいいよ!」と言うトゥルノン氏を尻目に同じ質問が出た。
 
 するとグリエーズマンは両手の拳を突き上げ、「イエース! やっと彼が去ってくれるー!」と叫んでジョーク、大爆笑に包まれた。それから自然体に戻り、「フィフィはグランシュー(白雪姫に出てくる小人の“おこりんぼう”)さ」と語ってまた爆笑を起こし、「なぜ彼はこんなに重要な存在だったのか」と訊かれると、「だって記者会見のたびに、どんな質問が出るかを教えてくれたもん」と答えて、再び記者団の笑いを誘った。
 
 さらに「やることなすこと良くて、たとえグランシューでもくどすぎないしね」と語ると、今度はトゥルノン氏も笑い出した。そしてグリエーズマンは「本当に素敵なヤツなんだ」と締めくくり、トゥルノン氏もこれを最後に立ち上がる。すると会見場には、異例中の異例とも言える記者団の大拍手が沸き起こった。
 
 
 トゥルノン氏は1983年から代表広報長を務めてきた「恐竜」だ。全国紙『L’Equipe』の大物記者から代表広報長に転身、ミシェル・プラティニ時代もジネディーヌ・ジダン時代も記者会見を仕切った。98年にはエメ・ジャケとともに世界王者になり、ジャケの自伝も共同執筆。ジャーナリズムと代表の両方を知り尽くした采配を続けた。レイモン・ドメネクによって一度は切り捨てられたが、ローラン・ブランが呼び戻し、ディディエ・デシャンも8年間、絶大な信頼を寄せてきた。
 
 この日演壇を去った「恐竜」は、去り際に記者団に向かって、笑顔で3回投げキス。激辛批判と強烈皮肉で知られるフランス人記者たちの拍手は、その姿が消えてもまだ鳴りやまなかった。
 
 17年間お世話になった私も、思わず感涙。胸が熱くなった記者たちの数は、きっと数え切れないことだろう。「さあショーの始まりだ」「次の選手は(内気だから)諸君の援軍を期待する」「日本人なのに遅刻したのか」といったトゥルノン節も、もう聞けなくなる。
 
レ・ブルーは日曜日、彼に至福の感涙を捧げられるだろうか。
 
取材・文●結城麻里
 
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