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【現地発】スペイン代表番記者が明かす「ロペテギ騒動」の裏事情。“仕掛け人”はあの大物代理人だった

カテゴリ:国際大会

エル・パイス紙

2018年06月14日

指揮官の“事後報告”に、怒りを露にする選手も。

長年の友人であるロペテギ(左)の決断に、イエロ(右)はだれよりも心を痛めているはずだ。(C)Getty Images

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 イエロとロペテギは長年の友人でもあるが、そのイエロですら、知っていたのはマドリーのゼネラルディレクターであるホセ・アンヘル・サンチェスが、水面下でロペテギの調査を行なっているということくらいだった。それだけに、彼は友人のまさかの決断にだれよりも心を痛めているひとりだろう。

 今回、マドリーとの交渉を担当したのはメンデスの忠実なパートナー、カルロス・ブセロだが、背後で操っていたのはボスのメンデスだ。『Gestifute』の関係者は言う。監督としてのキャリアを構築してくれたメンデスに、ロペテギはものすごく恩義を感じているのだと。今回のオファーを無下に断ることができない事情が、ロペテギにもあったわけだ。

 しかもスペイン代表には、メンデスがクライアントとして抱える選手が4人いる。正GKのダビド・デ・ヘア、MFのサウール・ニゲス、FWのロドリゴとジエゴ・コスタの4選手だ。したがって数か月前から、ロペテギ監督に対しては、ワールドカップ後のキャリアの構築を考慮しながら采配を振るうのではないかという疑惑が、主力選手の間でつねに渦巻いていた。

 そうした背景があったからこそ、ロペテギが例の「事後報告」を行なった直後には、怒りを露にした選手が続出した。所属チームでの進退問題が浮上する選手もいる中で、「W杯に専念すべき」と再三にわたって警鐘を鳴らしていたのは、だれあろう指揮官本人。それが、みずからの発言に反するような行動を起こしてしまったのだから、もはや求心力の低下は避けられなかった。
 
 今回の発表で大きな影響を受けたもうひとりの人物が、スペイン・サッカー連盟会長のルイス・ルビアレスだ。会長選に勝利してすぐに、ロペテギとの契約延長(2020年まで)を発表したのは、いまからわずか3週間前(5月22日)のことだ。

 マドリーの会長、フロレンティーノ・ペレスとも良好な関係を築いている旨を強調してきたが、蚊帳の外に置かれる格好になった今回の件により、図らずも実状はそうではないことが明らかになった。「公表するのは大会が終わってからにしてほしい」というルビアレス会長の願いも、ペレスによって完全に無視された。

 みずからの権威が失墜してしまいかねないと考えたルビアレスは、モスクワで開催されるFIFA総会への出席を急遽キャンセルし、スペイン代表がベースキャンプ地にするクラスノダールに帰還。そして、ロペテギの電撃解任を決めたのだった。

文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙/スペイン代表番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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