大きなハンデを背負った日本代表だが、今こそ…
ビジャール会長の悪事は、多くの関係者が知っていた。それでも、権力の座から引きずり下ろせなかった。会長在任約30年。自分の周りの人間に金をばらまいて一派とし、強大な帝国を作っていたのだ。
最低最悪の会長だが、スペイン代表はビジャール会長時代、史上初めてワールドカップで優勝している。欧州選手権でも2008、2012年と史上初めて連覇に成功。スペインは最強時代を迎えた。
これは、ビジャール会長が成し遂げた偉業ではない。選手たちによる功績である。
最低最悪の会長だが、スペイン代表はビジャール会長時代、史上初めてワールドカップで優勝している。欧州選手権でも2008、2012年と史上初めて連覇に成功。スペインは最強時代を迎えた。
これは、ビジャール会長が成し遂げた偉業ではない。選手たちによる功績である。
スイス戦、日本代表選手たちのプレーには、迷いや怯えが見えた。無気力とも報じられたが、それよりも、おっとり刀で確信がないのだろう。突然の監督交代など、大きなハンデはある。しかし、ピッチに立った時、相手を凌駕する覇気を見せる、というのは、日の丸を背負った選手としての義務だ。
6月12日、パラグアイ戦はサブ組中心の起用といわれるが、勝利への強い欲求を見せてほしい。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。