大島僚太は守備から攻撃へと切り返す起点として代えが利かない
おそらくガーナ戦を経て、本大会での3バックという選択肢は消えたはずだ。西野監督は「終盤追いかける展開で4バックにして攻撃に出た」と語っており、3バック(5バック)はなんとか勝点を拾いたい最難関のコロンビア戦を想定したものだろう。ところが肝心な守備に綻びが目立ち、これでは到底メドが立たない。さすがにスイス戦では、長谷部をボランチに戻して4-2-3-1で臨んだ。
この2戦を通じて、西野新体制の軸になるのが大島僚太であることがはっきりとした。フィジカル面では懸念材料もある大島だが、対人、対チームで相手のバランスを見極め、ボールをさばき動かす能力は卓越している。守備から攻撃へと切り返す起点として代えが効かない。こうした現状でバランスを考えれば、コーチング能力も含めて長谷部がベストパートナーになる。大島がハリルホジッチ前監督に「しゃべるようになった」と驚かれたほど物静かなタイプだけに、やはり指揮官は声を出せるキャプテンに隣で牽引してほしいと考える。
この2戦を通じて、西野新体制の軸になるのが大島僚太であることがはっきりとした。フィジカル面では懸念材料もある大島だが、対人、対チームで相手のバランスを見極め、ボールをさばき動かす能力は卓越している。守備から攻撃へと切り返す起点として代えが効かない。こうした現状でバランスを考えれば、コーチング能力も含めて長谷部がベストパートナーになる。大島がハリルホジッチ前監督に「しゃべるようになった」と驚かれたほど物静かなタイプだけに、やはり指揮官は声を出せるキャプテンに隣で牽引してほしいと考える。
西野監督は次のパラグアイ戦に「バックアップメンバーを出す」と口にしてしまったほどで、現状でスタメンとの線引きは揺るぎない。スイス戦の采配からも、新監督は自ら描くスタメンでの発進に固執しているように見える。だが2戦を通じても経験豊かな主力組の何人かには、明白な疑問符がついた。特にコロンビア戦で黒星発進をした場合には、大胆な攻撃的なオプションが必要になる。むしろ日本らしく戦うための監督交代だったのなら、山口蛍をアンカーに据え、大島と柴崎岳をMFに並べる4-3-3など、相手を守備に回すための賭けも検討するべきかもしれない。
文●加部 究(スポーツライター)
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