【コラム】36年前、1982年のスペインで大勝負に打って出た「サッカーダイジェスト」

カテゴリ:連載・コラム

石川聡

2018年06月10日

炎天下のバラハス空港で巨大なトカゲが道を…

恒例のW杯総集編も、82年の第1弾(左)から数えて9冊が敢行されてきた。栄えある10号目の表紙を飾るのはいずれの強豪国か。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 一方、現地での作業というのも、いまとは隔世の感があった。
 
 原稿も写真も瞬時に送れるのが当たり前の現在とは違い、当時はパソコンもデジタルカメラも想像すらできなかった時代だ。試合が終わって宿舎に戻り、ひたすら原稿用紙のマス目を埋めた。だが、記事送付については幸い、この大会のオフィシャルスポンサーとなったキヤノンがファックスをメディアセンターに設置し、その恩恵にあずかることができた。それでも回線の状況などで上手く送れないこともあり、翌日に送り直し、なんてこともあった。
 
 写真に関しては、3人のフォトグラファーが撮影したフイルムを航空貨物で送った。首都マドリードのバラハス空港近くの貨物会社に持ち込み、送付を依頼。最初は場所が分からず、40度近い炎天下で右往左往していたとき、アスファルトの上を日本では見たこともないような大きさのトカゲが横切っていたのを、妙によく覚えている。日本ではこのフイルムを一刻も早く受け取るため、わざわざ成田空港の通関会社まで足を運ばねばならなかった。

 
 そんなバタバタも、いまは懐かしい思い出。30年以上前の労作を見返すと、現在の『サッカーダイジェスト』や『ワールドサッカーダイジェスト』の多彩な企画、豊富な情報、緻密な作りと比べてアナログ臭がぷんぷん。編集者のひとりとしては冷や汗の出る想いだが、それでも現在まで続くワールドカップ詣での原点となったことは間違いない。
 
 その一冊が復刻版となって、バックナンバーで手に入れることができるというのは嬉しいかぎりだ。
 
文●石川聡
【関連記事】
【西野ジャパンの最新序列/スイス戦後】“最後の希望”香川と乾にチャンス到来か
【セルジオ越後】日本は先制されたら、終わり。収穫はゼロ。一歩も進んでいない
【スイス戦|動画&記事一覧】解説:セルジオ越後、釜本邦茂、松木安太郎、採点&寸評、プレー分析、PHOTOギャラリーetc.
【松木安太郎】日本はベーシックな部分が整理できていない。「決定力」以前の問題だよ
「この日本戦はあまりにもイージー」スイス紙が母国代表を絶賛する一方で西野ジャパンを…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ