灼熱のメキシコで行なわれた歴史的名勝負、復活した妖精etc.
86年の6月21日には、メキシコ大会準々決勝のブラジル対フランス戦がグアダラハラのエスタディオ・ハリスコで行なわれた。ここまで無失点のブラジルが巧みなパスワークからカレッカのゴールで先制するも、フランスは“将軍”ミシェル・プラティニが初めてブラジルDF陣の牙城を崩す。そして後半に登場したジーコはいきなり長距離のスルーパスを通して、相手GKジョエル・バツのファウルを誘い、PKを奪った。
決めれば勝利確定のジーコのPKは、しかしバツの好守に阻まれる。灼熱のなかでの消耗戦はついにPK戦にもつれ込み、両チームの名手、ソクラテスとプラティニが外すというサプライズの末に、フランスが準決勝へのチケットを手にした。この試合は86年大会だけでなく、ワールドカップ史上に残る名勝負と言われている。
続く90年大会では、グループFの最終戦、オランダ対アイルランド戦が引き分けで終了。これでアイルランドとオランダは勝点、得失点、総得点と全てが並ぶこととなり(両チームとも3試合全て引き分け)、抽選会によって順位を決することとなった。結果、アイルランドは2位でルーマニアと決勝トーナメント1回戦を戦うこととなり、一方のオランダは3位となり、よりにもよって絶好調の西ドイツと対峙する羽目となってしまった。
そして98年6月21日、フランス大会では、グループFのドイツ対ユーゴスラビア戦でユーゴの背番号10、ドラガン・ストイコビッチがドイツを引き離す2点目をマーク。8年前のイタリア大会で鮮やかなプレーを披露し、新たなスーパースター候補として世界中から注目されるも、間もなくユーゴは内戦のために国際試合から締め出され、自身も選手生命を脅かす膝の怪我で長く苦しむこととなった。しかし、日本で復活したストイコビッチは33歳になって世界最高峰の舞台に復帰、健在ぶりをアピールしたのだった。
またこの日、同じグループでイラン対アメリカ戦が行なわれた。79年のイラン革命以降、政治では激しく対立している両国の対戦ということで、多方面から注目を集めた一戦は、試合前にはFIFAの提案で両チームの選手が混ざって集合写真を撮影するなど、友好ムードを前面に押し出していたが、リヨンのスタッド・ジェルランのピッチ上で行なわれたのは、あくまでも純粋なスポーツだった。
◆6月21日に行なわれた過去のW杯の試合
1970年メキシコ大会
「決勝」
ブラジル 4-1 イタリア
1978年アルゼンチン大会
「2次リーグ」
オーストリア 3-2 西ドイツ
オランダ 2-1 イタリア
ブラジル 3-1 ポーランド
アルゼンチン 6-0 ペルー
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
アルジェリア 0-2 オーストリア
フランス 4-1 クウェート
ホンジュラス 1-1 北アイルランド
1986年メキシコ大会
「準々決勝」
ブラジル 1(3PK4)1 フランス
メキシコ 0(1PK4)0 西ドイツ
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
スペイン 2-1 ベルギー
ウルグアイ 1-0 韓国
イングランド 1-0 エジプト
オランダ 1-1 アイルランド
1994年アメリカ大会
「グループリーグ」
ドイツ 1-1 スペイン
アルゼンチン 4-0 ギリシャ
ナイジェリア 3-0 ブルガリア
1998年フランス大会
「グループリーグ」
ドイツ 2-2 ユーゴスラビア
アメリカ 1-2 イラン
アルゼンチン 5-0 ジャマイカ
2002年日韓大会
「準々決勝」
イングランド 1-2 ブラジル
ドイツ 1-0 アメリカ
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
オランダ 0-0 アルゼンチン
コートジボワール 3-2 セルビア・モンテネグロ
ポルトガル 2-1 メキシコ
イラン 1-1 アンゴラ
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
ポルトガル 7-0 北朝鮮
チリ 1-0 スイス
スペイン 2-0 ホンジュラス
決めれば勝利確定のジーコのPKは、しかしバツの好守に阻まれる。灼熱のなかでの消耗戦はついにPK戦にもつれ込み、両チームの名手、ソクラテスとプラティニが外すというサプライズの末に、フランスが準決勝へのチケットを手にした。この試合は86年大会だけでなく、ワールドカップ史上に残る名勝負と言われている。
続く90年大会では、グループFの最終戦、オランダ対アイルランド戦が引き分けで終了。これでアイルランドとオランダは勝点、得失点、総得点と全てが並ぶこととなり(両チームとも3試合全て引き分け)、抽選会によって順位を決することとなった。結果、アイルランドは2位でルーマニアと決勝トーナメント1回戦を戦うこととなり、一方のオランダは3位となり、よりにもよって絶好調の西ドイツと対峙する羽目となってしまった。
そして98年6月21日、フランス大会では、グループFのドイツ対ユーゴスラビア戦でユーゴの背番号10、ドラガン・ストイコビッチがドイツを引き離す2点目をマーク。8年前のイタリア大会で鮮やかなプレーを披露し、新たなスーパースター候補として世界中から注目されるも、間もなくユーゴは内戦のために国際試合から締め出され、自身も選手生命を脅かす膝の怪我で長く苦しむこととなった。しかし、日本で復活したストイコビッチは33歳になって世界最高峰の舞台に復帰、健在ぶりをアピールしたのだった。
またこの日、同じグループでイラン対アメリカ戦が行なわれた。79年のイラン革命以降、政治では激しく対立している両国の対戦ということで、多方面から注目を集めた一戦は、試合前にはFIFAの提案で両チームの選手が混ざって集合写真を撮影するなど、友好ムードを前面に押し出していたが、リヨンのスタッド・ジェルランのピッチ上で行なわれたのは、あくまでも純粋なスポーツだった。
◆6月21日に行なわれた過去のW杯の試合
1970年メキシコ大会
「決勝」
ブラジル 4-1 イタリア
1978年アルゼンチン大会
「2次リーグ」
オーストリア 3-2 西ドイツ
オランダ 2-1 イタリア
ブラジル 3-1 ポーランド
アルゼンチン 6-0 ペルー
1982年スペイン大会
「1次リーグ」
アルジェリア 0-2 オーストリア
フランス 4-1 クウェート
ホンジュラス 1-1 北アイルランド
1986年メキシコ大会
「準々決勝」
ブラジル 1(3PK4)1 フランス
メキシコ 0(1PK4)0 西ドイツ
1990年イタリア大会
「グループリーグ」
スペイン 2-1 ベルギー
ウルグアイ 1-0 韓国
イングランド 1-0 エジプト
オランダ 1-1 アイルランド
1994年アメリカ大会
「グループリーグ」
ドイツ 1-1 スペイン
アルゼンチン 4-0 ギリシャ
ナイジェリア 3-0 ブルガリア
1998年フランス大会
「グループリーグ」
ドイツ 2-2 ユーゴスラビア
アメリカ 1-2 イラン
アルゼンチン 5-0 ジャマイカ
2002年日韓大会
「準々決勝」
イングランド 1-2 ブラジル
ドイツ 1-0 アメリカ
2006年ドイツ大会
「グループリーグ」
オランダ 0-0 アルゼンチン
コートジボワール 3-2 セルビア・モンテネグロ
ポルトガル 2-1 メキシコ
イラン 1-1 アンゴラ
2010年南アフリカ大会
「グループリーグ」
ポルトガル 7-0 北朝鮮
チリ 1-0 スイス
スペイン 2-0 ホンジュラス