河﨑監督が感じた本田と有馬の共通点は?
後半14分に交代を告げられて有馬がピッチから去った後も、星稜は試合の主導権を手放さない。29分にオウンゴールで加点したチームは、冒頭で述べたように3−0で県7連覇を達成した。
「有馬は点が獲れるから期待は大きいよ。彼には攻撃の核になって欲しいし、カットインからのシュートも魅力だから、わざと左利きだけど右サイドで起用している」
試合後、河﨑護監督は有馬をこう評した。しかし、予選の出来を問うと、手厳しい言葉が返って来た。
「ゴール前に入ったらかなりの力があるし、アタッキングエリアでのプレーこそ彼の持ち味。しかし、そこに至るまでのプレーが雑で、途中で失うことも多い。もうちょっとプレーを整理しないと、今のままだったら全国相手だとすぐに良さを消されてしまうと思う。もう一皮むけないとダメ。もう高3ですし、ここで頑張らないと誰も注目をしてくれなくなる。今日もアシストはしたし、チャンスに持っていこうとするゴリゴリ感はあったけども、点を獲れなかった。こういう決勝のような大舞台で力を発揮すると言う面ではまだまだ物足りない」
しかし、前述したように河﨑監督は今予選から彼に10番を与えた。その事実に筆者が「親心というか、愛を感じます」と伝えると、「一瞬だけだけど、左足でボールを持つ後ろ姿が圭佑に似ているなと思うところがあるんだよ。風貌が似て来て、身体がだいぶ強くなった。良くしゃべるし、自分の意見を言えるところも似ているからね」と高校サッカー界随一の名将は笑顔を見せた。
「3−0で勝ちましたが、点も獲れませんでしたし、心残りの方が大きいです。アシストも理想的な形ではなかったですし…。もっと本田選手や窪田翔(現・筑波大)選手にようにチームがキツいときに頼りになれる存在になりたい」
試合後、こう感想を述べたように有馬は河﨑監督の期待に応えるべく、決して現状に満足などしていない。
実は河﨑監督とのやり取りには続きがある。最後に「これからも継続して彼に10番を?」と聞くと、河﨑監督はこう即答をした。
「それは本人次第だよ。確定なんてことはないですから」
厳しくも愛のこもった指揮官の指導の下、覚悟の1年をスタートさせた有馬は憧れの先輩の背中を追って全国舞台に挑む。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
「有馬は点が獲れるから期待は大きいよ。彼には攻撃の核になって欲しいし、カットインからのシュートも魅力だから、わざと左利きだけど右サイドで起用している」
試合後、河﨑護監督は有馬をこう評した。しかし、予選の出来を問うと、手厳しい言葉が返って来た。
「ゴール前に入ったらかなりの力があるし、アタッキングエリアでのプレーこそ彼の持ち味。しかし、そこに至るまでのプレーが雑で、途中で失うことも多い。もうちょっとプレーを整理しないと、今のままだったら全国相手だとすぐに良さを消されてしまうと思う。もう一皮むけないとダメ。もう高3ですし、ここで頑張らないと誰も注目をしてくれなくなる。今日もアシストはしたし、チャンスに持っていこうとするゴリゴリ感はあったけども、点を獲れなかった。こういう決勝のような大舞台で力を発揮すると言う面ではまだまだ物足りない」
しかし、前述したように河﨑監督は今予選から彼に10番を与えた。その事実に筆者が「親心というか、愛を感じます」と伝えると、「一瞬だけだけど、左足でボールを持つ後ろ姿が圭佑に似ているなと思うところがあるんだよ。風貌が似て来て、身体がだいぶ強くなった。良くしゃべるし、自分の意見を言えるところも似ているからね」と高校サッカー界随一の名将は笑顔を見せた。
「3−0で勝ちましたが、点も獲れませんでしたし、心残りの方が大きいです。アシストも理想的な形ではなかったですし…。もっと本田選手や窪田翔(現・筑波大)選手にようにチームがキツいときに頼りになれる存在になりたい」
試合後、こう感想を述べたように有馬は河﨑監督の期待に応えるべく、決して現状に満足などしていない。
実は河﨑監督とのやり取りには続きがある。最後に「これからも継続して彼に10番を?」と聞くと、河﨑監督はこう即答をした。
「それは本人次第だよ。確定なんてことはないですから」
厳しくも愛のこもった指揮官の指導の下、覚悟の1年をスタートさせた有馬は憧れの先輩の背中を追って全国舞台に挑む。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)