「警戒は必要。だが飛び抜けたタレントはいない」セネガル人記者に訊いた日本代表評

カテゴリ:国際大会

アブバクリー・エンディアイエ

2018年06月01日

セネガル代表の強みとキープレーヤーは?

3月の欧州遠征でも日本代表キャプテンとしてチームを統率した長谷部。そんなベテランMFをセネガルは警戒している。 (C) Getty Images

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 現在のセネガル代表は実に90%以上の選手が、フランス、イングランド、イタリア、ドイツ、ベルギー、トルコといったヨーロッパのメジャーなリーグでプレーしており、守備陣、中盤、前線のいずれにも有能なタレントを擁している。このクオリティーの高いタレントこそがチーム最大の強みだ。

 まず、ゴールマウスを見ると、2017年のアフリカ・ネーションズカップで大活躍をしたアブドゥライエ・ディアロがいる。所属するレンヌでは第2GKに甘んじているが、3月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では実戦の勘が鈍っていないことを示してみせた。

 さらにDF陣では、なんと言ってもカリドゥ・クリバリの存在が絶大だ。

 セリエAのナポリで技術的にも磨かれ、いまや世界屈指のCBに成長。4月のユベントスとの首位攻防戦では終了間際に値千金のゴールを決めた。かのディエゴ・マラドーナもクリバリのユニホームを掲げて勝利を祝ったほどである。
 

 中盤には、イングランドで活躍する実力者がひしめく。キャプテンのシェイク・クヤテはウェストハムで主力を張り、エバートンに所属するイドリッサ・ゲイエは「ボックス・トゥ・ボックスのMFとして名を馳せる。

 他にもバドゥー・エンディアイエ(ストーク)、シェイク・エヌドイエ(バーミンガム=英2部)らが英国の地で揉まれ、その実力を代表チームに還元している。

 そして前線では、10人ほどのアタッカーがしのぎを削る。なかでもサディオ・マネは、現在のアフリカ大陸でもっとも価値が高い選手であり、W杯の舞台でもそのスピード、テクニック、パワーで敵に脅威を与え続けるだろう。

 さらにケイタ・バルデ・ディアオやエムバイ・ニアングも打開力に優れ、独力で違いを作り出せるタレントだ。

 個の能力という点では、DF、MF、FWのどのラインでも日本を凌駕できるだけのものがある。そのなかで日本戦のキープレーヤーを挙げるとするならば、ずばりマネ、クリバリ、そしてニアングの3人になるだろう。

文●アブバクリー・エンディアイエ(マント・アクテュ編集長)
翻訳●結城麻里

【著者プロフィール】
Aboubakry N'DAYE/巨大なセネガル・コミュニティーがあるパリ郊外マント・ラ・ジョリ生まれ。セネガルとフランスの二重国籍を持つ。地元メディアで経験を積んだ後、2013年に総合ニュースサイト『マント・アクテュ』を立ち上げ、現在まで編集長を務める。同じコミュニティー出身のセネガル代表FWムサ・ソウは少年時代からの親友

※ワールドサッカーダイジェスト責任編集『ワールドカップ直前ガイド』より加筆・転載
 
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