決して熱くならないことで――

国王杯1回、スーペルコパ1回というタイトル歴は、その才能に似つかわしくないものだった。メンディエタに足りなかったものは何だろうか。写真は00-01CL決勝バイエルン戦のPK戦。3人が失敗したバレンシアのなかで、彼は1番手として冷静に名手オリバー・カーンの逆を突いた。 (C) Getty Images
当時、メンディエタについて、そんな意見を聞いた。
彼は冷静沈着で、何が起きても落ち着き払い、平均的なプレーを出せる選手だった。言い換えれば、「計算が立つ選手」であり、例えばPKは外したことがないほどだった。
しかし、感情のダウンがない一方、ここ一番でどこか冷静すぎる印象を与えた。決して熱くならない。それは、自分の殻を破る、限界を超える、という可能性を奪っていたのではないか、という推測もある。
もちろん、それはひとつの可能性に過ぎない。メンディエタが落ち着いた性格であったからこそ、高いレベルでのプレーが可能だった、と結論づけることもできる。「たら・れば」は意味がない。
とはいえ、観客の感情の高まりを受け、それを自身の力に換える――それも一流のプレーヤーの証であると言えるかも知れない。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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