残留の道を拓くためには?

レドモンド(右端)やバートランド(右から2番目)といった攻撃的選手たちがコンディションを上げ、チームの状態は着実に上向いている。そんなサウサンプトンに求められるのは……。 (C) Getty Images
その点、サウサンプトンは本来の良さを取り戻しつつある。
前々節でボーンマスとの激戦(〇2-1)を制し、前節のエバートン戦でも、不利な判定もあって最後のワンチャンスで追いつかれはしたが(1-1)、内容では勝者に相応しく、遅まきながら守備陣はしぶとさを取り戻し始め、攻撃は活性化されてきている。
「攻守が確実に良くなってきている」と言っていたのは、ボーンマス戦後の吉田麻也だ。その一戦での勝利が、3月後半から発足したマーク・ヒューズ新体制下での唯一の白星とはいえ、3バックの中央からチームを眺めていた日本代表CBが言うように、チームパフォーマンス自体は上向き傾向を示している。
個人的にも調子を上げていた吉田が、エバートン戦で2度の警告を受けてスウォンジーとの決戦で欠場となるのは痛恨だが、ホームゲームでは3月4日のウェストハム戦以来、勝てておらず、その後はリーグ戦で2得点しかできていないスウォンジー攻撃陣の低調さを考えれば、若いジャック・スティーブンスが吉田の代役となる3バックでも対処できるだろう。
前々節でボーンマスとの激戦(〇2-1)を制し、前節のエバートン戦でも、不利な判定もあって最後のワンチャンスで追いつかれはしたが(1-1)、内容では勝者に相応しく、遅まきながら守備陣はしぶとさを取り戻し始め、攻撃は活性化されてきている。
「攻守が確実に良くなってきている」と言っていたのは、ボーンマス戦後の吉田麻也だ。その一戦での勝利が、3月後半から発足したマーク・ヒューズ新体制下での唯一の白星とはいえ、3バックの中央からチームを眺めていた日本代表CBが言うように、チームパフォーマンス自体は上向き傾向を示している。
個人的にも調子を上げていた吉田が、エバートン戦で2度の警告を受けてスウォンジーとの決戦で欠場となるのは痛恨だが、ホームゲームでは3月4日のウェストハム戦以来、勝てておらず、その後はリーグ戦で2得点しかできていないスウォンジー攻撃陣の低調さを考えれば、若いジャック・スティーブンスが吉田の代役となる3バックでも対処できるだろう。
一方、攻撃に関しては、自信も集中力も落ちているスウォンジー守備陣を攻め崩せるだけの力を、これまで試合で示している。
ライアン・バートランドと、エバートン戦でアシストを記録したセドリック・ソアレスの両ウイングバックは、実質的には5バックだった4月のシステム変更当初よりも、明らかに攻め上がる頻度が増した。
さらに、ドリブルからソアレスへのパスで攻撃の起点となったドゥシャン・タディッチは、ボーンマス戦で2得点を挙げてヒーローとなり、最前線中央では、怪我に泣かされてきた主砲のチャーリー・オースティンが、連続して先発出場できるだけのコンディションに戻っている。
そして、左サイドのネイサン・レドモンド。ソアレスの絶妙なクロスをヘディングで見事に捉えたイングランド代表MFは、自信と勢いを取り戻してきたチームを象徴する1人だ。エバートン戦ではベンチスタートを命じたヒューズ監督も、敵地で勝利が求められるスウォンジー戦では、本来のキレと勢いを見せているウインガーを先発起用するだろう。
サウサンプトンは、最終節でリスクを抱えないためにも、今節こそリスクをとるべきである。プレミアでの生死を懸けた決戦で伸るか反るかの積極勝負に出れば、自ずとサバイバルを生き残る道が拓けるはずだ。
文●山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。