生きるか死ぬか。得失点差で17位に立つサウサンプトンと降格圏内の18位スウォンジーが、後者のホームでぶつかる５月８日の試合は、勝ち負けが降格回避の成否を分ける瀬戸際の決戦となる。

　特に、５月13日のプレミアリーグ最終節で、今シーズンの覇者マンチェスター・シティとの対決を残すサウサンプトンにとしては、何としても勝点３を持ち帰りたいところだろう。スウォンジーとの一騎打ちに勝利して勝点を36に伸ばせば、プレミアリーグ残留は確定したも同然となるからだ。

　仮に、プレミア王者との対戦に敗れて、今シーズンを終えたとしても、最高で34ポイントにしか届かない19位のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに抜かれることはなく、スウォンジーが既に降格が決まったストークとの最終節に勝利して再び勝点で並んだとしても、直接対決前の時点で「７」上回っている得失点差まで覆されることは、まずあり得ない。

　一方でスウォンジーに勝てなかった場合には、引き分けで降格圏外の17位のまま最終節を迎えることになったとしても、土壇場で順位を逆転される危険性が高まってくる。

　マンチェスター・Cは37節、リーグ優勝の表彰式が試合後に控えていて浮かれモードだった16位ハダースフィールド戦でスコアレスドローに終わっている。だが、完璧主義者のジョゼップ・グアルディオラ監督が、残るプレミアリーグ２試合でチームの尻を叩くことは想像に難くない。

　勝点をプレミア史上初の100点台に乗せる可能性が残されているとなれば尚更だろう。すなわち、サウサンプトンにとって、スウォンジー戦以上の結果を最終節で求められるシナリオは、非常にリスクが高いと言えるのだ。
 

　では、最終節の５日前に迎える直接対決での下馬評はどうかというと、巷の意見は分かれている。サウサンプトン優位の見方が若干強いようだが、その差は、得失点差によるリーグ順位の違いと同じ程度でしかない。

　識者間でも、『Sky Sports』で解説者を務めるポール・マーソンが、ホームアドバンテージを理由にスウォンジーの勝利を予想すれば、『BBC』のハイライト番組『Match of the Day』で、ゲスト解説を担当したフランク・ランパードは、対戦前の勢いも含めてサウサンプトンに分があると見ている。

　筆者は、ランパードの意見に賛成だ。スウォンジーは、残留争いが大詰めを迎えたここにきて、失速が著しく、過去７試合連続で勝ち星なしという戦績を下回るチームは、降格が決定したストークしかいない。

　前節のボーンマス戦（●０-１）でも、２月の時点で一度は脱出したはずの降格圏に土壇場で再び転落したショックと焦りしか感じられなかった。攻撃は苦し紛れのロングボールや強引なスルーパスで形にならず、守ってもGKの前に10人を並べていながら、単純なFKから決勝点を奪われている。