【現地発】こんなこと、ドイツではごく稀! 2部降格決定がケルンの結束をさらに強めた!!

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2018年05月04日

「僕らは一致団結して2部リーグへ行く」

大迫勇也の去就が、日本人ファンにとっては最も気になるところだろう。ケルンでは構想外になったという話もあれば、ハノーファー、ブレーメン、デュッセルドルフが獲得に関心を寄せているとの噂も……。彼の決断やいかに!? (C) Getty Images

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 さらにヘクターに続いて、GKティモ・ホルンも契約延長を発表。次々とクラブへの忠誠心を表す選手の心意気に応えようと、ファンもまた、共に戦う同志としての姿勢を示した。
 
 フライブルクに敗れて降格が決まり、失意のドン底に沈み込んでいたにもかかわらず、アウェーに駆けつけていた3000人のファンは、降格したとは思えないような盛大な拍手を選手に送ったのだ。
 
 ホルンは、「こんなことは、ドイツ・サッカーではとても稀なことだよ。僕らは、一致団結して2部リーグへ行く」と感謝の気持ちを口にし、マルコ・ヘーガーも「とても感動したよ。僕らは、ファンの一人ひとりに感謝しないといけない。凄いことだよ! 脱帽だ。こんなことを経験したことは、今まで一度もない」と続けた。
 
 1998年に最初の降格を喫してから、20年間でケルンは、ブンデスリーガ最多の降格回数を記録してしまっている。だがそれは同時に、1部昇格の回数も最多であることを意味する。目指すは、1年での昇格だ。新監督には、現在2部リーグで3位につけているホルシュタイン・キールのマルクス・アンファングの就任が決定している。
 
「僕のハートはケルンにある。他の選手もチームに残るはずだ。ひとつだけ、約束できる。僕らは必ず、ここに戻ってくるよ!」
 
 ホルンはこう語り、気持ちを新たにしている。選手、監督、コーチ陣、スタッフ、そしてファンの想いをひとつにして、新しい戦いを勝ち抜き、再び1部の舞台へ帰ってきたい。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
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