レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第36回・ソクラテス(元ブラジル代表)

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サッカーダイジェストWeb編集部

2018年05月03日

自由人、そして信念を曲げなかったレジェンド

多くの名手が到来したコリンチャンスにおいて、ソクラテスは永遠に語り継がれるレジェンドである。 (C) Getty Images

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 ソクラテスのキャリアを語る上で、クラブでの活躍もさることながら、さらに強烈なインパクトを放ったブラジル代表での日々を欠かすことはできない。
 
 79年5月の親善試合パラグアイ戦でセレソン・デビューを飾り、同年のコパ・アメリカでベスト4入り。そして80年代に入り、テレ・サンターナ監督の下で魅力的な集団へと変貌を遂げていったチームにおいて、ソクラテスは中盤の不可欠な存在となる。
 
 そして迎えた82年スペイン・ワールドカップ。南米予選を難なく全勝で突破し、親善試合でも内容が伴った勝利の山を積み重ねたブラジルは、同じく予選全勝の欧州王者、西ドイツ(当時)とともに優勝候補の筆頭に挙げられた。そんなチームにおいて、サンターナ監督からの信頼が厚かったソクラテスはキャプテンの重責を担った。
 
 グループステージの初戦、ソ連戦では1点ビハインドの75分、こぼれ球を拾ってからの巧みなドリブルと鋭いミドルでチームの大会ファーストゴールを、そして自身のW杯初ゴール決めてみせると、さらに87分には、絶妙なスルーでエデルの決勝ゴールを引き出し、勝利に大きな貢献を果たした。
 
 2戦以降は、中盤にソクラテス、ジーコ、トニーニョ・セレーゾ、そしてファルカンが並んだことで、「クアトロ・オーメン・ジ・オロ(黄金の4人)」を形成したブラジルは、個の高度な技術と以心伝心の見事な組織プレーでスコットランド、ニュージーランドを大差で下し、2次リーグ初戦では宿敵アルゼンチンを3-1で一蹴した。
 
 続くイタリア戦、引き分け以上の結果であれば準決勝進出という有利な状況で、ブラジルは先制を許すも、ソクラテスがジーコのスルーパスを受けて名守護神ディノ・ゾフとポストのあいだを射抜く同点ゴールを決めたが、シーソーゲームの末に敗北。あまりに早い帰国を余儀なくされた。
 
 その後、83年のコパ・アメリカ(準優勝)を経て86年メキシコW杯に出場。キャプテンの座はエジーニョに譲ったものの、中盤で若いチームを操り、初戦のスペイン戦でまたもチームファーストゴール(そして決勝点)を挙げ、決勝トーナメント1回戦のポーランド戦では先制のPKを独特のステップで決めた。
 
 そして歴史に残る激戦となった準々決勝フランス戦、120分間を戦い抜いてPK戦に突入したが、ソクラテスは延長後半に信じられない空振りで勝ち越しのチャンスをフイにし、PK戦では1番手として登場するも、フランスGKジョエル・バツの好反応に弾き出され、またしても準決勝を前に涙を飲むこととなった。
 
 そしてこの試合が、彼のセレソンでのラストマッチとなった。代表での最終成績は60試合出場22得点。25歳と比較的遅めの代表デビューだったこともあり、数値としては平凡なものだが、人々の心と記憶のなかには、彼の印象的なプレーの数々が鮮明に刻み込まれた。
 
 前述した通り、89年にボタフォゴでサッカー選手としてのキャリアを終えたソクラテス。その後はスポーツクリニックを開業し、コメンテーター、コラムニストも務めていたが、2004年、イングランドのアマチュアリーグに属するガーフォースタウンと1か月の契約を交わして世界を驚かせた。
 
 プレイングマネジャーとしてベンチに座り、11月20日のタドキャスター戦では、50歳にして途中出場。これが、同クラブでの唯一のプレーとなった。
 
 そして2011年12月4日、悲報が世界中に伝えられた。ソクラテスが腸内感染症による敗血症により、57歳でこの世を去ったのである。それ以前にも、消化器系や肝臓を悪くして入院を繰り返していたという。
 
 病の原因となったのは、長年の飲酒と喫煙とされている。選手時代からこの習慣は変わらず、メディアから批判を受けることもあったが、彼は決してこれを変えようとはしなかった。サッカー界のインテリは、同時に束縛を嫌う自由人でもあった。
 
 政治的言動も多く、86年W杯では自身の思想を記したハチマキを巻いてピッチに姿を現わすこともあったソクラテス。ここでも賛否両論はあったものの、ソクラテスの信念はそれによって曲げられることはなかった。
 
 それは、攻撃的で美しいサッカーを愛するという考えにおいても同様で、82年W杯のイタリア戦で2-2の同点とした後に守りを固めるべきだったという意見を受け入れることなく、当時のチームの姿勢を全く悔いることもなかったのである。
 
 エンターテイメントとしてのサッカーを体現し、大舞台で至福の時間を世界中の人々に提供した頭脳明晰な「ドトール」。ブラジルの偉大なる、そして永遠のレジェンドである。

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