チームスタッフは森岡監督の「モチベーターとしての能力」を絶賛。
前述した可児と星野は、ともにオン・ザ・ボール、つまりボールを握ることでその存在価値を発揮できるタイプなのだが、この2人を中盤の底に据えている時点でどう戦いたいのかは見えてくる。ただし、可児が「つないで攻撃的にいきたいという思いはあると思うけど、けっこうリアリストな側面もありますよ」というように、決してつなぐことを目的としているわけではない。
あくまでも勝利のためにゴールが必要であるという本質的な部分を重んじており、“ゴールへ向かう”プレーを指揮官はチームに求めている。2度のビハインドを追いついたアウェー・相模原戦で、森岡監督は欧州のある知将の言葉を引き合いに出してこういう言葉を発していた。
「より前向きに、前に前にプレーをしようと。ベンゲルさんの“Pass should be future”という言葉がありますが、今日は未来を切り開くには前向きなプレーをしましょうという話をしました」
去年との差については「個のクオリティ(で今年のほうが優れている)という部分はもちろんある」ということは認めており、それは確かだろう。ただ、冒頭にも触れたように監督の指針と選手たちの資質が調和した結果として今のチームの好調がある。
森岡監督についてチームスタッフは「モチベーターとしての能力がすごく高い」と語っていたが、何よりも甲斐のこの言葉が印象的だ。
「元代表ですし、すごいとかを越えていますよ。今でも全然うまいし、あの人が出るほうが絶対に試合に勝てるよと思いながらやっています。『出てくれよ!』と。そんなこと言えないですけど(笑)。ディフェンスについては、ムカつくんでしょうね。『俺はやっていたのになんでお前らはできないんだ』というような違和感があるのかもしれないです。でも、そこをしっかり分かりやすく説明してくれる。キックの仕方とかも自ら演じてくれます。悪い言い方になるかもしれないですけど、口で言って『こうしろ、ああしろ』で終わる監督もいるじゃないですか。でも、森岡監督は、やってくれる。やってみせてくれるんです。」
選手を納得させるだけの実績と実力を持つ森岡監督がJ3で繰り広げる戦いもそうだが、指揮官として歩むそのキャリアも非常に興味深い。今の鳥取は、一度見てみる価値のあるチームだ。
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
あくまでも勝利のためにゴールが必要であるという本質的な部分を重んじており、“ゴールへ向かう”プレーを指揮官はチームに求めている。2度のビハインドを追いついたアウェー・相模原戦で、森岡監督は欧州のある知将の言葉を引き合いに出してこういう言葉を発していた。
「より前向きに、前に前にプレーをしようと。ベンゲルさんの“Pass should be future”という言葉がありますが、今日は未来を切り開くには前向きなプレーをしましょうという話をしました」
去年との差については「個のクオリティ(で今年のほうが優れている)という部分はもちろんある」ということは認めており、それは確かだろう。ただ、冒頭にも触れたように監督の指針と選手たちの資質が調和した結果として今のチームの好調がある。
森岡監督についてチームスタッフは「モチベーターとしての能力がすごく高い」と語っていたが、何よりも甲斐のこの言葉が印象的だ。
「元代表ですし、すごいとかを越えていますよ。今でも全然うまいし、あの人が出るほうが絶対に試合に勝てるよと思いながらやっています。『出てくれよ!』と。そんなこと言えないですけど(笑)。ディフェンスについては、ムカつくんでしょうね。『俺はやっていたのになんでお前らはできないんだ』というような違和感があるのかもしれないです。でも、そこをしっかり分かりやすく説明してくれる。キックの仕方とかも自ら演じてくれます。悪い言い方になるかもしれないですけど、口で言って『こうしろ、ああしろ』で終わる監督もいるじゃないですか。でも、森岡監督は、やってくれる。やってみせてくれるんです。」
選手を納得させるだけの実績と実力を持つ森岡監督がJ3で繰り広げる戦いもそうだが、指揮官として歩むそのキャリアも非常に興味深い。今の鳥取は、一度見てみる価値のあるチームだ。
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)