予選は十分に良かった。アジア特有の厳しさが…
いまさらながら、アジア予選の結果は十分に良かった。親善試合では振るわなかったにせよ、一番大事な試合に勝てているなら、普通は不満など噴出しないものだ。ただそこには、アジアというエリアに属しているがゆえの、特有の厳しさがある。予選の内容では、ワールドカップで戦えるかどうかを推し量れない。選手のセレクションについても、日本協会との間で意見の相違があったのだろう。繰り返しになるが、このタイミングで解任するなら、去年の秋にそうすべきだったと思う。
オーストラリアに勝利してワールドカップ出場を決めた直後、ハリルホジッチ本人が協会内からプレッシャーがあったと明かした。十分に適切なサポートを受けていないと主張したのである。やはりあの頃から歪みは大きかった、ということだ。彼はプライドが高く実績もあるので、付き合うのがなかなか難しい人物かもしれない。だが個人的には、穏やかで協力的な人格者よりも、身勝手なくらいの価値基準と自信満々の性格の持ち主のほうが、監督に向いていると思う。
オーストラリアに勝利してワールドカップ出場を決めた直後、ハリルホジッチ本人が協会内からプレッシャーがあったと明かした。十分に適切なサポートを受けていないと主張したのである。やはりあの頃から歪みは大きかった、ということだ。彼はプライドが高く実績もあるので、付き合うのがなかなか難しい人物かもしれない。だが個人的には、穏やかで協力的な人格者よりも、身勝手なくらいの価値基準と自信満々の性格の持ち主のほうが、監督に向いていると思う。
後任は西野朗・前技術委員長に決まった。クラブレベルでの実績が十二分な名将だが、やはり時間がなさすぎる。前任者と大きく異なるなにかを提示できるとは思えないし、実際そこに労力は注がないだろう。いかにチームをまとめて、戦いへの準備を整えられるか。そのくらいの期待しか抱けないのが実情だ。
いずれにせよ、これはひとつの賭けである。勝てば歴史的な出来事として称えられ、負ければ不甲斐ないと叩かれる。そのどちらかでしかない。
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著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。
いずれにせよ、これはひとつの賭けである。勝てば歴史的な出来事として称えられ、負ければ不甲斐ないと叩かれる。そのどちらかでしかない。
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著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。