南米では欧州勢は難しい。前回のアフリカとは勝手が違う。
◆欧州勢については?
今回は南米の大会であり、覇権は南米勢で争うことになる可能性が高い。70年大会と86年大会のメキシコ、94年大会のアメリカを含め、アメリカ大陸で欧州勢は一度も勝っていない。欧州勢は、南米では難しいのではないだろうか。4年前、南アフリカでスペインとオランダの欧州勢による決勝が実現したが、アフリカと欧州では時差がないという点が、南米と異なる。
現地入りしてから、欧州の選手が多く怪我をしているが、これはやはり欧州とは環境が大きく異なることが起因しているのだろう。南米での不利を当事者たちも自覚しているようで、スペインのビセンテ・デルボスケ監督が「絶対に優勝できるとは言えない」と語ったように、今回の欧州勢は一様に控えめ。これを、負けた場合のエクスキューズを今から用意している、とする意地悪な見方もある。
南米開催ということでは、78年アルゼンチン大会以来、実に36年ぶりであり、当時とは大会規模も何もかも違うので、欧州にとって今回のブラジル大会は、すべてが未知のものと感じているのではないだろうか。実際、ブラジルの暑さは欧州勢には辛いかもしれない。地域によって、朝と夜の寒暖差も激しく、こういった独特の環境も、外から訪れた者を苦しめる。
そんな中でも、決勝に上がる可能性があるのは、やはり総合力の高いスペインとドイツだろう。しかし、ドイツはキーマンのひとりであるGKマヌエル・ノイアーが完調でなく、スペインもFWの人選などに問題を抱えている。スペインの場合はメジャー大会4連覇というモチベーションはあるだろうが、マークはますますきつくなるだろう。ドイツにも、往年のゲルマン魂は見られなくなっており、ステージを上がるほど勝負弱さが目立っている。
◆その他の注目国は?
意外に上位に行けるかもしれないと思うようになったのは、フランスだ。フランク・リベリの離脱が、逆に良い方向に作用するかもしれない。バロンドール受賞を逃した一件などもあってリベリは問題を抱えており、下手をすればチームの足を引っ張りかねなかっただけに、これを機にフランスはひとつにまとまる可能性もある。チームとしての新陳代謝も図れており、良い選手も多いだけに注目したい。
イタリアも同様だ。今回はノーマークの存在だが、それなりの成績を残せるチームだろう。2年前のヨーロッパ選手権で準優勝を果たすなど力もあり、何より昨年のコンフェデでブラジルの環境を経験したことは大きい(スペインも同じだが)。
他では、ベルギー、コロンビアはタレント揃いで、試合を観るのが楽しみなチームだ。コロンビアはラダメル・ファルカオがいなくても、ハメス・ロドリゲス、ファン・ギジェルモ・クアドラードなど、優秀な選手が多数いる。ベルギーにいたっては、タレントの数では大会屈指だ。その中でGKティボー・クルトワの存在は大きい。GKの良いチームは強い(それはノイアー擁するドイツにも言えることだ)。
そしてポルトガル。何と言ってもクリスチアーノ・ロナウドの存在は大きい。チームとしても守備の組織力が高く、簡単に崩れることはないので、ベスト8も十分に可能だ。ただし、C・ロナウドへの依存度が高いため、ナニなどの他の攻撃選手が復調してくれないと辛いだろう。
今回は南米の大会であり、覇権は南米勢で争うことになる可能性が高い。70年大会と86年大会のメキシコ、94年大会のアメリカを含め、アメリカ大陸で欧州勢は一度も勝っていない。欧州勢は、南米では難しいのではないだろうか。4年前、南アフリカでスペインとオランダの欧州勢による決勝が実現したが、アフリカと欧州では時差がないという点が、南米と異なる。
現地入りしてから、欧州の選手が多く怪我をしているが、これはやはり欧州とは環境が大きく異なることが起因しているのだろう。南米での不利を当事者たちも自覚しているようで、スペインのビセンテ・デルボスケ監督が「絶対に優勝できるとは言えない」と語ったように、今回の欧州勢は一様に控えめ。これを、負けた場合のエクスキューズを今から用意している、とする意地悪な見方もある。
南米開催ということでは、78年アルゼンチン大会以来、実に36年ぶりであり、当時とは大会規模も何もかも違うので、欧州にとって今回のブラジル大会は、すべてが未知のものと感じているのではないだろうか。実際、ブラジルの暑さは欧州勢には辛いかもしれない。地域によって、朝と夜の寒暖差も激しく、こういった独特の環境も、外から訪れた者を苦しめる。
そんな中でも、決勝に上がる可能性があるのは、やはり総合力の高いスペインとドイツだろう。しかし、ドイツはキーマンのひとりであるGKマヌエル・ノイアーが完調でなく、スペインもFWの人選などに問題を抱えている。スペインの場合はメジャー大会4連覇というモチベーションはあるだろうが、マークはますますきつくなるだろう。ドイツにも、往年のゲルマン魂は見られなくなっており、ステージを上がるほど勝負弱さが目立っている。
◆その他の注目国は?
意外に上位に行けるかもしれないと思うようになったのは、フランスだ。フランク・リベリの離脱が、逆に良い方向に作用するかもしれない。バロンドール受賞を逃した一件などもあってリベリは問題を抱えており、下手をすればチームの足を引っ張りかねなかっただけに、これを機にフランスはひとつにまとまる可能性もある。チームとしての新陳代謝も図れており、良い選手も多いだけに注目したい。
イタリアも同様だ。今回はノーマークの存在だが、それなりの成績を残せるチームだろう。2年前のヨーロッパ選手権で準優勝を果たすなど力もあり、何より昨年のコンフェデでブラジルの環境を経験したことは大きい(スペインも同じだが)。
他では、ベルギー、コロンビアはタレント揃いで、試合を観るのが楽しみなチームだ。コロンビアはラダメル・ファルカオがいなくても、ハメス・ロドリゲス、ファン・ギジェルモ・クアドラードなど、優秀な選手が多数いる。ベルギーにいたっては、タレントの数では大会屈指だ。その中でGKティボー・クルトワの存在は大きい。GKの良いチームは強い(それはノイアー擁するドイツにも言えることだ)。
そしてポルトガル。何と言ってもクリスチアーノ・ロナウドの存在は大きい。チームとしても守備の組織力が高く、簡単に崩れることはないので、ベスト8も十分に可能だ。ただし、C・ロナウドへの依存度が高いため、ナニなどの他の攻撃選手が復調してくれないと辛いだろう。