連盟会長すら決まらず上部団体の管理下に…。
しかし、それ以上に重大なのは、60年ぶりにW杯出場権を逃すという「空前絶後の失敗」から4か月が過ぎたにもかかわらず、イタリア・サッカーの低迷と衰退に歯止めをかけ、世界のトップレベルに返り咲くための具体的な取り組みが、今なお影も形も見えないことの方だ。
FIGC(イタリア・サッカー連盟)の会長ポストは、1月末の会長選挙不成立によって空席となっており、FIGCは上部団体であるイタリア・オリンピック連盟(CONI)から派遣された臨時コミッショナーに直轄管理されている状態。しかしそのコミッショナーを務めるロベルト・ファブリチーニCONI事務局長も、サッカー界の改革に向けた具体的な構想にはまだ手をつけていない。
現時点で動いているのは、副コミッショナーに指名されたアレッサンドロ・コスタクルタ(元ミラン、イタリア代表DF)を責任者とする次期代表監督の選出プロジェクトのみ。だが実のところ、代表監督が誰になるかは、カルチョが直面している衰退の危機を食い止めるうえでは、大して重要な問題ではない。
最優先で取り組むべきは、この10数年もワールドクラスのタレントを輩出できなくなっている育成システムの再構築、セリエA、Bの定数削減とBチーム制度の導入といった、すでに「処方箋」が出ているサッカー界の構造改革だ。しかし、セリエA、Bの中小クラブをはじめ、既得権を盾にこれらの改革に反対する勢力も少なくなく、それを切り崩す道筋がまだ見えていないのが現状。このままだと、カルチョのさらなる地盤沈下に歯止めをかけるのは難しいだろう。
とはいうものの、改革が進もうと進むまいと、イタリア代表は2年後のEURO2020、そして4年後のカタールW杯に向けて、新たなプロジェクトを立ち上げ進めていかなければならない。その出発点となるのが、新代表監督の選出にあることは確かだ。
コスタクルタは候補として2014~16年にも同職を務めたアントニオ・コンテ(チェルシー)をはじめ、カルロ・アンチェロッティ(フリー)、ロベルト・マンチーニ(ゼニト)、そして現暫定監督のディ・ビアージョの名前を挙げている。
ディ・ビアージョが今回の2試合で、自らが育ててきたU-21代表上がりの若手をほとんど使わず、「現時点でのベストメンバー」をピッチに送り出したのも、A代表監督候補として自らの手腕を試される機会だと捉えたからだった。しかし、順当に考えれば、コンテ、マンチーニ、アンチェロッティが3人揃って代表監督就任を辞退しない限り、ディ・ビアージョの目はないだろう。
FIGC(イタリア・サッカー連盟)の会長ポストは、1月末の会長選挙不成立によって空席となっており、FIGCは上部団体であるイタリア・オリンピック連盟(CONI)から派遣された臨時コミッショナーに直轄管理されている状態。しかしそのコミッショナーを務めるロベルト・ファブリチーニCONI事務局長も、サッカー界の改革に向けた具体的な構想にはまだ手をつけていない。
現時点で動いているのは、副コミッショナーに指名されたアレッサンドロ・コスタクルタ(元ミラン、イタリア代表DF)を責任者とする次期代表監督の選出プロジェクトのみ。だが実のところ、代表監督が誰になるかは、カルチョが直面している衰退の危機を食い止めるうえでは、大して重要な問題ではない。
最優先で取り組むべきは、この10数年もワールドクラスのタレントを輩出できなくなっている育成システムの再構築、セリエA、Bの定数削減とBチーム制度の導入といった、すでに「処方箋」が出ているサッカー界の構造改革だ。しかし、セリエA、Bの中小クラブをはじめ、既得権を盾にこれらの改革に反対する勢力も少なくなく、それを切り崩す道筋がまだ見えていないのが現状。このままだと、カルチョのさらなる地盤沈下に歯止めをかけるのは難しいだろう。
とはいうものの、改革が進もうと進むまいと、イタリア代表は2年後のEURO2020、そして4年後のカタールW杯に向けて、新たなプロジェクトを立ち上げ進めていかなければならない。その出発点となるのが、新代表監督の選出にあることは確かだ。
コスタクルタは候補として2014~16年にも同職を務めたアントニオ・コンテ(チェルシー)をはじめ、カルロ・アンチェロッティ(フリー)、ロベルト・マンチーニ(ゼニト)、そして現暫定監督のディ・ビアージョの名前を挙げている。
ディ・ビアージョが今回の2試合で、自らが育ててきたU-21代表上がりの若手をほとんど使わず、「現時点でのベストメンバー」をピッチに送り出したのも、A代表監督候補として自らの手腕を試される機会だと捉えたからだった。しかし、順当に考えれば、コンテ、マンチーニ、アンチェロッティが3人揃って代表監督就任を辞退しない限り、ディ・ビアージョの目はないだろう。