「W杯出場が夢」と話した同胞の死を乗り越えて――。
2009年にA代表監督を退任したステンペルは、再びパナマの強豪サンフランシスコを率い、2011年にはグアテマラのU-17代表監督に就任。そして、2012年にサンフランシスコに舞い戻り、現在はパナマU-17代表を指揮している。
今もなお、パナマ・サッカー界に携わるステンペルは、この国の根底に蔓延る問題の改善を訴えている。
「私が指導した選手の中には、自分の父親が誰かも知らない者や、刑務所に母親がいる者もいた。ほんとうに小さい小屋のようなところで暮らしている選手が大半で、みんなが何かしらの社会的問題を抱えている。とくに薬物と暴力は、いまもなくなっていない」
実際、このロシア行きのチケットを手にした予選で、パナマ代表は悲劇に見舞われていた。昨年4月15日、主力MFだったアミルカル・エンリケスが、自宅近くで何者に殺されたのだ。近隣住民はこの時、20発以上もの銃声を聞いたと証言している。
「僕らはW杯出場を叶える夢の真っただ中にいる」と話していたという33歳の同胞の死は、W杯出場への気運が高まるなか、国中に大きな衝撃を与えた。「まだ話すことは難しい」と明かすステンペルは、エンリケスの死もパナマに蔓延る問題が原因だと考えている。
「彼がそうだったかは分からないが、何人かの選手たちがギャングたちと繋がりがあることを、私は知っていた。彼らは、ギャングに『俺たちと一緒に来い』と言われれば、従うしかないんだ……」
今もなお、パナマ・サッカー界に携わるステンペルは、この国の根底に蔓延る問題の改善を訴えている。
「私が指導した選手の中には、自分の父親が誰かも知らない者や、刑務所に母親がいる者もいた。ほんとうに小さい小屋のようなところで暮らしている選手が大半で、みんなが何かしらの社会的問題を抱えている。とくに薬物と暴力は、いまもなくなっていない」
実際、このロシア行きのチケットを手にした予選で、パナマ代表は悲劇に見舞われていた。昨年4月15日、主力MFだったアミルカル・エンリケスが、自宅近くで何者に殺されたのだ。近隣住民はこの時、20発以上もの銃声を聞いたと証言している。
「僕らはW杯出場を叶える夢の真っただ中にいる」と話していたという33歳の同胞の死は、W杯出場への気運が高まるなか、国中に大きな衝撃を与えた。「まだ話すことは難しい」と明かすステンペルは、エンリケスの死もパナマに蔓延る問題が原因だと考えている。
「彼がそうだったかは分からないが、何人かの選手たちがギャングたちと繋がりがあることを、私は知っていた。彼らは、ギャングに『俺たちと一緒に来い』と言われれば、従うしかないんだ……」
パナマ代表にとって、ロシアW杯出場はそうした悲しみや問題を払拭する意味で、非常に大きかった。国からの補助を受けられるようになったからだ。『Daily Mail』紙によれば、約1100万ポンド(約17億円)の支援を受けたという。
これにより、選手の給与改善、施設の設備工事、さらに専属のシェフと栄養士、テクニカルスタッフを雇うことが可能になった。現代表監督のエルナン・ダリオ・ゴメスは、「我々は学ぶべきことが沢山あるが、いまは楽しむべきだと考えている。多くの愛で満たされ、私は幸せだ」と、国からのサポートを得られた喜びに浸っている。
ステンペルが苦悩の日々を過ごしながら蒔いた種が、ようやく実ろうとしているパナマ。そんな彼らは、W杯の大舞台でイングランド、ベルギー、チュニジアという強豪国と対戦する。
パナマにとっては、実力差が明確で、惨敗に終わる可能性もあるが、選手たちはやる気十分だ。2005年から代表入りし、ステンペルの指示を仰いたこともあるトーレスは、『ESPN』に対して次のように語っている。
「僕らはずっと、W杯に出ることを望んできた。だから、まずは楽しみたい。イングランドのハリー・ケインなんて凄い選手だし、彼とマッチアップするには、身体的にも、精神的にも、準備をしなければいけないね。
パナマがロシアで苦戦するって考えている人が多いけど、選手たちはそんなことは考えていないし、W杯で成功を掴んでやるという想いを持っている。僕たちは、自分自身のことを考えている。何も恐れはしない。そうすれば、自分たちよりも大きなチームを打ち負かせる。とにかく、ベストを尽くすだけさ」
長年の夢の実現を果たそうとしているカリブの小国パナマ。約2か月後に迫る待望の大舞台で、彼らは躍進を遂げられるか。興味は尽きない。
これにより、選手の給与改善、施設の設備工事、さらに専属のシェフと栄養士、テクニカルスタッフを雇うことが可能になった。現代表監督のエルナン・ダリオ・ゴメスは、「我々は学ぶべきことが沢山あるが、いまは楽しむべきだと考えている。多くの愛で満たされ、私は幸せだ」と、国からのサポートを得られた喜びに浸っている。
ステンペルが苦悩の日々を過ごしながら蒔いた種が、ようやく実ろうとしているパナマ。そんな彼らは、W杯の大舞台でイングランド、ベルギー、チュニジアという強豪国と対戦する。
パナマにとっては、実力差が明確で、惨敗に終わる可能性もあるが、選手たちはやる気十分だ。2005年から代表入りし、ステンペルの指示を仰いたこともあるトーレスは、『ESPN』に対して次のように語っている。
「僕らはずっと、W杯に出ることを望んできた。だから、まずは楽しみたい。イングランドのハリー・ケインなんて凄い選手だし、彼とマッチアップするには、身体的にも、精神的にも、準備をしなければいけないね。
パナマがロシアで苦戦するって考えている人が多いけど、選手たちはそんなことは考えていないし、W杯で成功を掴んでやるという想いを持っている。僕たちは、自分自身のことを考えている。何も恐れはしない。そうすれば、自分たちよりも大きなチームを打ち負かせる。とにかく、ベストを尽くすだけさ」
長年の夢の実現を果たそうとしているカリブの小国パナマ。約2か月後に迫る待望の大舞台で、彼らは躍進を遂げられるか。興味は尽きない。
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