【2014南関東総体】代表校の強さの秘密を探る|岩手・盛岡商

カテゴリ:高校・ユース・その他

小林健志

2014年06月04日

昨季プレミア参入戦の反省から、攻守の課題に取り組む。

遠野との伝統校対決をゴールラッシュで制した盛岡商。持ち前の攻撃力を見せつけた。 (C) Takeshi KOBAYASHI

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 昨年の盛岡商は、タレント豊富な2年生、すなわち現在の3年生主体のチームだった。高校総体と選手権は全国を経験できなかったが、プリンスリーグ東北は好調を維持し3位となり、昨年12月に行なわれたプレミアリーグ参入戦にも出場した。対戦相手は選手権準優勝の星稜。3-5で敗れたものの、全国の強豪相手に堂々たる打ち合いを演じ、根子や千葉、右サイドハーフの工藤大輝といった攻撃のタレントが全国レベルで十分通用することを印象づけた。
 
 ただ一方で、失点が多かったことから「簡単に点を取られた経験を通じて、私自身も感じたことを落とし込んだ」と太田浩史監督が語るとおり、守備の改善を図った。今年のプリンスリーグ東北では1年生CBの谷地朝日と、同じく1年生の左SB腹子直哉を開幕戦から抜擢。開幕当初こそ、チームは失点が多かったが、場数を踏むにつれて1年生のふたりも試合に慣れていき、ディフェンスは安定感が増していった。
 
 守備陣だけでなく、攻撃陣の守備への貢献もこれまで以上に大きい。根子が「昨年以上に守備の意識が高くなったと思う」と語れば、太田監督も「中盤やFWが継続的にディフェンスに関われるようになってきた」と攻撃陣の守備面での成長を讃える。地道な守備の修正が実り、岩手県予選は無失点で乗り切った。
 
 加えて攻撃の修正も図った。「参入戦を経験して、カウンター一発だけでは勝ち切れないと思った。昨年の冬から、前線で起点となる選手に速くボールをつけることを心掛け、中盤の選手が良い状況で上がれるような厚みのある攻撃を目指している。前に前に、というのが齋藤先生(総監督)の頃からの伝統だが、その前に預ける質を高めたい」という強化プランを描く太田監督の下、攻撃の質も向上させて、2年ぶりの全国出場を実現した。
 
 堅実さが出てきたディフェンスと課題の解消に努めてクオリティを上げた攻撃力。攻守両面でのスケールアップに成功したチームは、2007年の選手権優勝のような旋風を巻き起こすことも決して夢物語ではない。
 
取材・文:小林健志(フリーライター)

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