W杯 主砲ファルカオが登録外 コロンビア代表が失ったものとは

カテゴリ:国際大会

ロベルト・ロッシ

2014年06月03日

健全なエゴイズムを備える一方で献身性も。

もっとも完成度が高いストライカーと、分析者のロッシ氏も絶賛するファルカオの不在は、コロンビアにとって大きな痛手だ。 (C) Getty Images

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 常にゴールを狙ってプレーする生粋の点取り屋なので、基本的にはオフサイドライン上でディフェンダーと駆け引きしながら、裏への飛び出しを図ろうとする。ただ、プレーの展開によっては、敵の2ライン(DFとMF)間に引くポストプレーを試みる。ディフェンダーを背負っていれば質の高いポストプレーで味方に落とし、スペースがあれば素早いターンで前を向いて、コンビネーションや1対1での突破、あるいはアシストやシュートを狙う。
 
 横方向はペナルティーエリアの幅の中でプレーし、タッチライン際には滅多に出ない。それでも得意とするレパートリーのひとつに、エリア角のゾーンからインフロントにかけてファーポスト際を狙うシュートがある。この形のゴールは右足でも左足でも奪っている。
 
 ストライカーには不可欠の“健全なエゴイズム”を備える一方で、ポストプレーやアシスト、あるいは守備参加によるチームプレーを厭わない献身的な側面を持っている。時折無理なポジションから強引なシュートを放つのは、他に有効な選択肢が見当たらないケースがほとんどだ。センターフォワードに求められるクオリティーをこれだけ高いレベルで満遍なく備えているストライカーは、他に見当たらない。現役プロ選手では、もっとも完成度が高いと言ってもいいだろう。
 
 スピードがあるのでゴールから離れてもプレーできるが、持ち味を最大限に発揮するのはやはりペナルティーエリア内でだ。その意味では、引いて守りを固めるカウンター志向のチームよりも、全体を押し上げて主導権を握り、敵陣でプレーするタイプのチームが、ファルカオのクオリティーをより引き出せるだろう。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
 
【ロベルト・ロッシ】
1962年3月16日生まれのイタリア人監督。現役時代はMFで、元イタリア代表監督のアリーゴ・サッキや現日本代表監督のアルベルト・ザッケローニに師事。99年に引退し、01-08年はインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)。その後は下部リーグで監督を務め、現在はLP2(4部)のフォルリを率いる。
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