W杯 主砲ファルカオが登録外 コロンビア代表が失ったものとは

カテゴリ:国際大会

ロベルト・ロッシ

2014年06月03日

現代最強のセンターフォワードのひとり。

最後の最後まで出場の可能性を探ったファルカオだったが、回復が間に合わず登録外に。 (C) Getty Images

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 ブラジル・ワールドカップのグループリーグで日本代表と対戦するコロンビア代表の主砲、ラダメル・ファルカオが怪我で23人の登録メンバーを外れた。
 
 今年1月に前十字靭帯を断裂して手術し、それから懸命のリハビリを続けてきたが、結局、間に合わなかった。
 
 ファルカオの欠場が決まり、コロンビア代表は何を失ったのか。そしてそれは、どれほど大きな痛手なのか。
 
 以下、ワールドサッカーダイジェスト・2013年3月21日号から抜粋してお届けするのは、イタリア人の現役監督によるファルカオの考察だ。フィジカル、テクニカル、タクティカル、メンタルという4つの側面からの分析で浮かび上がったのは、このストライカーの卓越した能力。コロンビアの失ったものは、決して小さくない。
 
――◆――◆――
 
 ラダメル・ファルカオを一言で評すれば、現代最強のセンターフォワードのひとりだ。177センチ・75キロの屈強な体格で、スピード、アジリティー、左右両足のテクニック、プレーの流れとタイミングを読む感覚、そしてゴールセンスが極めて高いレベルで凝縮されている。フィジカルコンタクトに強く、瞬発力も素晴らしい。
 
 攻撃の最終局面ではペナルティーエリア内のシュートを狙えるホットゾーンにポジションを取り、ゴールに背を向けてディフェンダーにマークされながらのプレーも厭わない。例えるならば、フィジカル能力の抜群に高いフィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)。事実、触ったボールを全てゴールに変えてしまうのではないかと思わせる際立ったセンスこそ、ファルカオの最大の武器であり長所だ。
 
 嗅覚の鋭さが如実に表われているのは、こぼれ球を押し込むゴールの多さだ。GKのセーブやクリアミスなどは偶然転がってきたようにも見える。しかし、必ずのように「そこ」にいるのだから、偶然などではなく才能以外の何物でもない。プレーの展開や敵味方の位置関係から、もしボールがこぼれてくるとしたらどこなのかを全感覚的に察知し、「そこ」へ動いているのだ。
 
 密集したペナルティーエリア内で一瞬の動きにより、マークを外すスマルカメント(マークを外す動き)の上手さも特筆に値する。例えば、味方がサイドをえぐってクロスを上げる状況になれば、ファルカオは足を止めずに動く。マーカーから1メートルから1.5メートルほどの距離を取ってフリーになり、クロスが入ってくるスペースに先手を取って入り込む。
 
 ディフェンダーが身体を寄せてタイトにマークしようと試みても、いつの間にかするりと逃げてしまうから厄介だ。ニアサイドでのヘディングシュートやタップインが多いのも、それゆえである。高さがあるわけではないが、タイミングの感覚と瞬発力があるので、空中戦の競り合いにも強い。

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