可もなく、不可もない一戦。おごらず、悲観せず…。
そして57分、ついに均衡は破れる。FKのこぼれ球をエリック・ヴァン・マイアが再びゴール前に放り込み、ヴィルモッツがオーバーヘッドで突き刺したのだ。重い空気がスタジアムを包んだ。
ところが、この1点を境にゲームは大きく動き出した。59分、それまでミスの目立った鈴木隆行が、執念のチェイシングから同点ゴール。続く62分には、小野伸二のFKがGKヘールト・デフリーガーを襲う。歓声を味方に、かさにかかって攻める日本。そして、抜群に身体のキレていた稲本潤一のドリブル突破からの鮮烈な一撃によって、先制されてからわずか10分後にして、ゲームをひっくり返してみせた。
残り20分程度の段階でリードを奪い、勢いも味方につけていた日本。しかし、大会出場11回を誇るヨーロッパの古豪に、ホームチームは再び足下をすくわれてしまう。75分、ペーター・ヴァン・デルハイデンの柔らかいシュートが楢崎正剛の頭上を越えていった時、日本の手元から勝点2が逃げていった。
負けないことがグループリーグ初戦の鉄則であるなら、日本はその点では十分に合格点を与えられる試合をした。もしこのベルギー戦に負けていたならば、日本は大会開催国の“初戦不敗神話”を崩しただけでなく、グループリーグ突破の希望も風前の灯となっていたのだから、及第点の滑り出しだと評価できる。
ただしその一方で、いったん奪ったリードを死守できなかったことを悔やみ、次戦へ向けて大いに反省材料としておくべきだ。試合運びという点で、日本には応急処置が必要である。また、かさんだイエローカードも頭に入れておかなくてはならない。
可もなく、不可もなし。日本が目標とするベスト16進出は近づいたわけでもなければ、遠ざかったわけでもない。おごらず、悲観もせず、真の勝負が残り2試合に持ち越されたという認識こそ重要だろう。
◆2002年6月4日 埼玉
日本 2‐2 ベルギー
【得点者】
日=鈴木(59分)、稲本(67分)
ベ=ヴィルモッツ(57分)、ヴァン・デルハイデン(75分)
【日本】
GK:楢崎
DF:松田、森岡(72分宮本)、中田浩
MF:戸田、稲本、市川、中田英、小野(64分三都主)
FW:柳沢、鈴木(71分森島)
【ベルギー】
GK:デフリーガー
DF:ヴァン・ブイテン、ヴァン・マイア、ヴァン・デルハイデン
MF:ヴァンデルベーゲ、シモン、ペータース、ワレム(71分ソンク)、ヴィルモッツ、ゴール
FW:ヴェルハイエン(83分ストルパール)
※週刊サッカーダイジェスト2002年6月21日号増刊より
ところが、この1点を境にゲームは大きく動き出した。59分、それまでミスの目立った鈴木隆行が、執念のチェイシングから同点ゴール。続く62分には、小野伸二のFKがGKヘールト・デフリーガーを襲う。歓声を味方に、かさにかかって攻める日本。そして、抜群に身体のキレていた稲本潤一のドリブル突破からの鮮烈な一撃によって、先制されてからわずか10分後にして、ゲームをひっくり返してみせた。
残り20分程度の段階でリードを奪い、勢いも味方につけていた日本。しかし、大会出場11回を誇るヨーロッパの古豪に、ホームチームは再び足下をすくわれてしまう。75分、ペーター・ヴァン・デルハイデンの柔らかいシュートが楢崎正剛の頭上を越えていった時、日本の手元から勝点2が逃げていった。
負けないことがグループリーグ初戦の鉄則であるなら、日本はその点では十分に合格点を与えられる試合をした。もしこのベルギー戦に負けていたならば、日本は大会開催国の“初戦不敗神話”を崩しただけでなく、グループリーグ突破の希望も風前の灯となっていたのだから、及第点の滑り出しだと評価できる。
ただしその一方で、いったん奪ったリードを死守できなかったことを悔やみ、次戦へ向けて大いに反省材料としておくべきだ。試合運びという点で、日本には応急処置が必要である。また、かさんだイエローカードも頭に入れておかなくてはならない。
可もなく、不可もなし。日本が目標とするベスト16進出は近づいたわけでもなければ、遠ざかったわけでもない。おごらず、悲観もせず、真の勝負が残り2試合に持ち越されたという認識こそ重要だろう。
◆2002年6月4日 埼玉
日本 2‐2 ベルギー
【得点者】
日=鈴木(59分)、稲本(67分)
ベ=ヴィルモッツ(57分)、ヴァン・デルハイデン(75分)
【日本】
GK:楢崎
DF:松田、森岡(72分宮本)、中田浩
MF:戸田、稲本、市川、中田英、小野(64分三都主)
FW:柳沢、鈴木(71分森島)
【ベルギー】
GK:デフリーガー
DF:ヴァン・ブイテン、ヴァン・マイア、ヴァン・デルハイデン
MF:ヴァンデルベーゲ、シモン、ペータース、ワレム(71分ソンク)、ヴィルモッツ、ゴール
FW:ヴェルハイエン(83分ストルパール)
※週刊サッカーダイジェスト2002年6月21日号増刊より