「心を鍛えろ!」日本代表・遠藤保仁から総体、選手権を目指す高校生たちへ

カテゴリ:高校・ユース・その他

高校サッカーダイジェスト編集部

2014年05月30日

「心が身体を動かす」という考えに揺らぎはない。

プロ生活16年目を迎えた今も、「心が身体を動かす」という信念を持つ。遠藤が技術以上に大切にしている部分だ。 (C) SOCCER DIGEST

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 鹿実の場合は、すべてにおいて誰が成功しても、失敗しても全員の連帯責任だった。例えば、タイム走をしてその時間内に走れない選手がいたら、他の選手も全員でもう1本走らされる、みたいな。
 
 それが嫌だから、足が速い選手は自然と、走るのが苦手な選手を必死になって応援して励ますし、逆に走るのが苦手な選手はそんな仲間のために頑張ろう、と気持ちを奮い立たせてゴールを目指す。
 
 そうして追い込まれた中で生まれた一体感、仲間意識というのは、高校サッカー特有の厳しさの中でこそ培われたもの。と同時に、その中で育んだメンタルの強さは、今でも僕の武器のひとつだと思っている。

 と言っても、今の時代も僕たちの時代と同じような厳しさがあるのかは、正直知らないんだけどね(笑)。学校によっても、やり方は違うだろうし。ただ、いずれにしても仲間とともに目標に向かって努力をするという経験は、たとえサッカーをやめたとしても、どこかで必ず活かされるはずだ。
 
 現に僕自身も、高校1年生の時に、先輩たちが初めて国立での決勝の舞台に立ったのを目の当たりにしたことで「目指していた場所や目標には、自分次第で実際にたどり着くことができる」と確信したし、その経験はその後の人生においても、大きな財産になったと思っている。
 
 そんな風に高校サッカーを経験した僕が、今の高校生にエールを送るとするならば、とにかく心を鍛えろということ。最近は高校サッカーを観る機会が減ったので、細かなアドバイスはできないけれど、いずれにせよ、僕はプロとして今年で16年目のシーズンを迎えている今も、「心が身体を動かす」という考えに揺らぎはない。
 
 実際、どれだけ素晴らしい能力を備えた選手でも、心=メンタルが強くなければそれをフルに発揮することはできない。それは、プロの世界でも痛感することだ。

『週刊サッカーダイジェスト』で連載中のコラム『サッカーってやつは…。』を、今年4月に単行本化。遠藤が自身のサッカー観や人生観について本音を明かしている。 (C) SOCCER DIGEST

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「じゃあ、どうやってメンタルを鍛えればいいんですか?」と問われると、これまた難しいんだけどね(笑)。でも、おそらく本気になって選手権の決勝を、日本一になることを目指して戦っているチームは、きっと僕らの高校時代と同じように、厳しいトレーニングを続けているだろうし、毎日毎日、嫌というくらいサッカーに向き合っているはずだ。
 
 その置かれた状況から逃げずに、自分がやるべきことから目をそらさずに向き合い続けられれば、自ずとメンタルも鍛えられていく。そう信じて、チームとしても、個人としても、より高い目標に挑み続けてほしい。
 
「もっと、もっと」と思う、貪欲な気持ちがある限り、サッカー選手として成長し続けるのは可能だし、そのことがまた自分に新しい世界を切り拓いてくれるはずだから。
 
構成:高村美砂
 
※『高校サッカーダイジェスト vol.5』2014年4月1日発売号から抜粋。
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