人材の絶対数が足りていないことが明らかに

駆け出しの頃は左SBとしてプレーしたキエッリーニは、怪我人の続出によってCBにコンバートされ、このポジションでの適性を示した。33歳となった今なお、世界的にも希少かつ貴重な存在である。 (C) Getty Images
そして、このラポルタ移籍によって、左利きCBの「玉突き移籍」が起こった。
ラポルトが移籍した穴を埋めるのに、ビルバオは左利きCBを補強する必要に迫られ、隣町のレアル・ソシエダから主力のイニゴ・マルティネスを3200万ユーロ(約42億円)で“強奪”したのだ。
これに憤激したのが、ソシエダだった。彼らは、事あるごとに自チームの主力に触手を伸ばしてくるビルバオに対し、歴史的に嫌悪感を持っている。
そして今回は、シーズン途中で生え抜きのキャプテンを奪われ、その憎しみは沸騰した。選手のSNSは炎上。クラブは「イニゴのユニホームは無料交換」と発表せざるを得ない騒ぎになった。
そして、ソシエダもやはり穴埋め補強に迫られ、移籍期限が残り1日を切ったところで、ローマのメキシコ代表、エクトル・モレーノと600万ユーロ(約7億8千万円)で契約合意。言うまでもないが、エクトールも左利きCBである。ラウール・ナバスという両利きのCBはいるものの、イニゴに代わりうる左利きを補強したのだ。
左利きCBを巡る移籍劇。それは、このポジションの人材が足りていないことの証明と言えよう。
現在、世界最高の左利きCBは、サミュエル・ウンティティ(バルサ)、ジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス)。マッツ・フンメルス(バイエルン)は両利きで、左足でも極上のプレーを披露する。ラポルトは、次世代を担う存在といったところだろう。
そして日本でも、左利きCBの台頭が待望される。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2017年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
ラポルトが移籍した穴を埋めるのに、ビルバオは左利きCBを補強する必要に迫られ、隣町のレアル・ソシエダから主力のイニゴ・マルティネスを3200万ユーロ(約42億円)で“強奪”したのだ。
これに憤激したのが、ソシエダだった。彼らは、事あるごとに自チームの主力に触手を伸ばしてくるビルバオに対し、歴史的に嫌悪感を持っている。
そして今回は、シーズン途中で生え抜きのキャプテンを奪われ、その憎しみは沸騰した。選手のSNSは炎上。クラブは「イニゴのユニホームは無料交換」と発表せざるを得ない騒ぎになった。
そして、ソシエダもやはり穴埋め補強に迫られ、移籍期限が残り1日を切ったところで、ローマのメキシコ代表、エクトル・モレーノと600万ユーロ(約7億8千万円)で契約合意。言うまでもないが、エクトールも左利きCBである。ラウール・ナバスという両利きのCBはいるものの、イニゴに代わりうる左利きを補強したのだ。
左利きCBを巡る移籍劇。それは、このポジションの人材が足りていないことの証明と言えよう。
現在、世界最高の左利きCBは、サミュエル・ウンティティ(バルサ)、ジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス)。マッツ・フンメルス(バイエルン)は両利きで、左足でも極上のプレーを披露する。ラポルトは、次世代を担う存在といったところだろう。
そして日本でも、左利きCBの台頭が待望される。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2017年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。