加入から2日後に先発出場したラポルト

昨夏、マンチェスター・Cが莫大な補強費を投じたにもかかわらず、グアルディオラを満足させられなかったのは、理想のCBを獲得できずに終わったから。そんな智将にとって、ラポルトはまさに待望の存在だった。 (C) Getty Images
世界的に一番不足しているポジションは、「左利きのCB(センターバック)」かもしれない。
欧州や南米では、左CBには左利きを起用するのが通例になっている。
左CBは右足でボールを晒した時、わずかなミスでゴールに直結してしまう。左足で止め、左に開くような動きを自然にすることで、リスクを避けられるのと同時に、大きな展開を作り出せる。
そこで、左足から一気にサイドチェンジするような長いパスを出せると、プレスで詰められた状態では、大きなアドバンテージになる。論理的な話で、左には左利きCBがベターなのだ。
しかし、そもそも左利きは少数派なのに、CBとなると、さらにその数は限られてしまうという問題がある。
欧州や南米では、左CBには左利きを起用するのが通例になっている。
左CBは右足でボールを晒した時、わずかなミスでゴールに直結してしまう。左足で止め、左に開くような動きを自然にすることで、リスクを避けられるのと同時に、大きな展開を作り出せる。
そこで、左足から一気にサイドチェンジするような長いパスを出せると、プレスで詰められた状態では、大きなアドバンテージになる。論理的な話で、左には左利きCBがベターなのだ。
しかし、そもそも左利きは少数派なのに、CBとなると、さらにその数は限られてしまうという問題がある。
前日本代表監督のハビエル・アギーレは就任直後の試合、どうあっても左利きのCBを選びたかったのだろう、J1でもプレー経験の乏しい選手を、サプライズで抜擢したことがあった。
それは、メキシコ人指揮官のフィーリングであり、ロジックだったと言えよう。もっとも、このテストはうまくいっていない。利き足に以前に、まずは相応の能力が必要になるからだ。
そこで、左CBとしてプレーすることに慣れた右利きCBがプレーするケースは少なくない。
例えば、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)、ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー)、ニコラス・オタメンディ(マンチェスター・シティ)、チアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン)。彼らは、左CBとしてのプレーを苦としない。
とはいえ、フットボールを追求する指揮官は、熱烈に左利きCBを求める。マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督も、そのひとりだろう。
2018年1月、マンチェスター・Cはアスレティック・ビルバオの左利きCB、エメリック・ラポルトを7000万ユーロ(約91億円)で獲得した。
それまでもチームは好調で、何の問題も見えず、左CBにはオタメンディが定着していた。ところが、サインした2日後の試合で、早くもラポルトは先発出場。ここに、グアルディオラの強い拘りが見える。