高速カウンターはもっとも持ち味が生きる。
本来の特徴やプレースタイルは、ゴール前に進出してフィニッシュに絡むよりも、サイドを主戦場としてパスやクロスで決定機を演出するチャンスメーカーのそれだ。右足はほとんど使わない純粋なレフティーながら、ゴールに向かいやすい逆足の右サイドではなく左サイドが持ち場。サイドを縦にえぐってそこからクロスを折り返すというシチュエーションが必然的に多くなり、ゴールよりはアシストが主な役割になる。
トップスピードでもブレない高精度のボールコントロールによるドリブルでゴールライン際まで進んだ後、そのまま切り返してペナルティーエリアに侵入し、後方から走り込んできた味方にマイナスのクロスを折り返すというのが、いわば十八番のパターンだ。
さらに今シーズンは、ここまでのプレミアリーグ22試合で10アシストに加えて7得点と、ウイングとしては際立った数字を叩き出している。とはいえ同じウイングでも逆サイドのスターリングと比べれば、オフ・ザ・ボールでゴール前に進出してフィニッシュに絡む頻度はずっと低く、得点もカウンターアタックによる独走など組織的なメカニズムの中ではなく個人技によって挙げるケースが多い。
その高速カウンターは、ザネの持ち味が最も生きシチュエーションのひとつ。圧倒的な加速で敵を置き去りにすると、トップスピードに達しても決してボールが足から離れ過ぎない理想的なラン・ウィズ・ザ・ボールで、そのまま一気にゴールに迫る。
ただ、ドリブルやクロスに比べるとシュートの精度はそれほど高いとは言えず、フィニッシュにはまだ改善の余地が残されている。
分析:ロベルト・ロッシ
取材・構成:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2018年2月15日号から加筆・転載
[分析者プロフィール]
ロベルト・ロッシ/1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~08年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り立ちしてイタリアの下部リーグの監督を歴任。16-17シーズンはスパルのU-19監督を務める。現在はフリー。
トップスピードでもブレない高精度のボールコントロールによるドリブルでゴールライン際まで進んだ後、そのまま切り返してペナルティーエリアに侵入し、後方から走り込んできた味方にマイナスのクロスを折り返すというのが、いわば十八番のパターンだ。
さらに今シーズンは、ここまでのプレミアリーグ22試合で10アシストに加えて7得点と、ウイングとしては際立った数字を叩き出している。とはいえ同じウイングでも逆サイドのスターリングと比べれば、オフ・ザ・ボールでゴール前に進出してフィニッシュに絡む頻度はずっと低く、得点もカウンターアタックによる独走など組織的なメカニズムの中ではなく個人技によって挙げるケースが多い。
その高速カウンターは、ザネの持ち味が最も生きシチュエーションのひとつ。圧倒的な加速で敵を置き去りにすると、トップスピードに達しても決してボールが足から離れ過ぎない理想的なラン・ウィズ・ザ・ボールで、そのまま一気にゴールに迫る。
ただ、ドリブルやクロスに比べるとシュートの精度はそれほど高いとは言えず、フィニッシュにはまだ改善の余地が残されている。
分析:ロベルト・ロッシ
取材・構成:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2018年2月15日号から加筆・転載
[分析者プロフィール]
ロベルト・ロッシ/1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~08年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り立ちしてイタリアの下部リーグの監督を歴任。16-17シーズンはスパルのU-19監督を務める。現在はフリー。