バルサは自分たちの方が「うまい」と勇気づけられた
バルサに先制点を奪われたことで、マドリーの「リアクション」は破綻した。相手が攻撃しようと気が逸るところを利用する戦術だっただけに、プラン変更を余儀なくされた。しかし、そこからアクションに転じるには、相当なエネルギーを要する……。
一方のバルサは、自分たちの方が「うまい」と勇気づけられたように、より攻撃に冴えを増した。
結局、マドリーは0-3の大敗を喫することとなった。
リアクションは、勝ち続けることが使命である。なぜならその戦術は、ボールを持たないことが基本で、多くのサッカー選手にとって面白いことではない。勝利を挙げ続ければ、自信も出るし、士気も高まるが、いったん負けてしまうと、信じられないほどに選手間には動揺が走るのだ。
この試合の後、ファンタジスタであるイスコをベンチに置いたジダンには、批判が集中している。もっとも、ジダンほどの指揮官である。「うまさ」の総量を計算し、メッシを封じる決断をしたのだとすれば――。それもひとつの戦い方だったと言えるだろうか。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
一方のバルサは、自分たちの方が「うまい」と勇気づけられたように、より攻撃に冴えを増した。
結局、マドリーは0-3の大敗を喫することとなった。
リアクションは、勝ち続けることが使命である。なぜならその戦術は、ボールを持たないことが基本で、多くのサッカー選手にとって面白いことではない。勝利を挙げ続ければ、自信も出るし、士気も高まるが、いったん負けてしまうと、信じられないほどに選手間には動揺が走るのだ。
この試合の後、ファンタジスタであるイスコをベンチに置いたジダンには、批判が集中している。もっとも、ジダンほどの指揮官である。「うまさ」の総量を計算し、メッシを封じる決断をしたのだとすれば――。それもひとつの戦い方だったと言えるだろうか。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。