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【小宮良之の日本サッカー兵法書】無限の力を生み出す戦術、それを封じる戦術…駆け引きも無限だ

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年01月16日

バルサは自分たちの方が「うまい」と勇気づけられた

年末のクラシコでは駆け引きに敗れて立場を危うくしてしまったジダン監督。緻密な計算の末に勝つための戦術を選び出したが、それは諸刃の剣でもあった。 (C) Getty Images

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 バルサに先制点を奪われたことで、マドリーの「リアクション」は破綻した。相手が攻撃しようと気が逸るところを利用する戦術だっただけに、プラン変更を余儀なくされた。しかし、そこからアクションに転じるには、相当なエネルギーを要する……。
 
 一方のバルサは、自分たちの方が「うまい」と勇気づけられたように、より攻撃に冴えを増した。
 
 結局、マドリーは0-3の大敗を喫することとなった。
 
 リアクションは、勝ち続けることが使命である。なぜならその戦術は、ボールを持たないことが基本で、多くのサッカー選手にとって面白いことではない。勝利を挙げ続ければ、自信も出るし、士気も高まるが、いったん負けてしまうと、信じられないほどに選手間には動揺が走るのだ。
 
 この試合の後、ファンタジスタであるイスコをベンチに置いたジダンには、批判が集中している。もっとも、ジダンほどの指揮官である。「うまさ」の総量を計算し、メッシを封じる決断をしたのだとすれば――。それもひとつの戦い方だったと言えるだろうか。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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