【選手権】無失点の流経大柏か、最多得点の前橋育英か? 最強「ほこたて」対決の注目点

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2018年01月07日

互いを意識する宮崎と関川。バチバチの“闘い”が展開されるか?

夏のインターハイでは準決勝で対戦した両者。流経大柏・関川の豪快なヘディング弾が勝負を決めた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 今大会を通じて流経大柏と対戦したチームのストライカーの多くが、「関川に抑え込まれた」「関川に勝てなかった」「組織的な守備は堅かった」と試合後にこぼしている。U-17日本代表歴のある2年生CBを中心とした鉄壁の守備で、流経大柏はここまでの4試合を無失点で切り抜けてきた。
 
 一方で前橋育英は今大会最多の15得点をマーク。ここまで無失点の壁を前にしても、それを打ち破る自信に溢れている。
「流経大柏に苦手意識は一切ありません。制空権は握れると思っています。相手はハイプレスでロングボールもあって、球際もセカンドボールも激しく来る。逆に言えば育英の持ち味もそこなので、そこで負けちゃいけない。そこで上回れば、育英の流れになると思う」
 宮崎は力強くこう語り、チームとしても苦手意識はないと説明をした。
 
 実際に今季の両校の対戦を見ると、ここまでクローズアップした関川と宮崎の存在が大きく両者の勝敗に関わっている。
 
 第1ラウンドは流経大柏が関川を出場停止で欠くなか、前橋育英はスタメン出場した宮崎が制空権を完全に握り、圧倒的に押し込んで3−0。第2ラウンドのインターハイ準決勝では、前橋育英は榎本を先発させて宮崎を途中投入。前線にこの二枚を置く『ツインタワー』でゴールを狙いエアバトルは互角以上となったが、関川、瀬戸山を中心とする守備陣が地上戦で鉄壁のディフェンスを見せて1-0の勝利。すると第3ラウンドはスタメン出場した宮崎が、右クロスをフィジカルの強さを活かしてDFをブロックし、鮮やかな反転ボレーを沈めるなど、前橋育英が3−2の勝利を収めた。
 
 今大会では、前橋育英は一貫して『榎本→宮崎』の交代リレーだったが、今季の対戦結果とその内容を振り返れば、決勝ではもしかすると宮崎をスタートから使ったり、2人をスタメン同時起用したりする可能性も大いにあり得る。
 
「プリンス関東の中だったら、宮崎選手には絶対に負けたくない。真っ向勝負でバチバチにやり合える貴重なFWだと思っています」
 もちろん、こう語る関川だって黙ってはいない。スタートからこのバトルが実現すれば、彼のアドレナリンはさらに増すだろう。
 
「この決勝はすごく楽しみです。しっかりと休んでミーティングして頭の中を整理して。本当に最後なのでやりきりたいです」(宮崎)
 
 今大会の最多得点を誇る矛と、かたや無失点を誇る盾を携える両校。優勝候補筆頭同士がぶつかり合うこととなった今年の選手権ファイナルは、間違いなく頂上決戦に相応しいハイレベルな攻防戦となることを今から保証する。
 
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
【関連記事】
【高校サッカー勢力図】選手権出場プレーヤー・出身都道府県ランキングを発表!! あなたの出身地は何位?
【選手権】前橋育英のエース飯島陸に敵将も「格が違う」 目指すは大迫勇也の10得点!
【選手権】超絶決勝ボレーにSNSでは「ファンバステンばり」と絶賛の嵐!! 流経大柏が10年ぶりの決勝へ!
【選手権】高校サッカー界のトレンドとなるか⁉「史上最弱」の矢板中央を変貌させた指揮官の奇抜なアイデア
【選手権女子】藤枝順心が女王の座を奪還!! 作陽を下し2年ぶりの全国制覇!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ