「監督の手腕が問われるところやと思います」
2枚のインサイドハーフ。欧州ではスタンダードでも、日本国内ではいまだ定着しているとは言い難い役割だ。ここ最近の代表チームでは井手口陽介や山口蛍、倉田秋、大島僚太、長澤和輝らが担ってきたが、いずれもしっくり行っていない。
「そういうことなんですよ。トップ下に2枚置いたときの動き方が分かってない。守備になると、中盤の真ん中3人が全員戻ってしまってる。じゃあ自分たちがカウンターを仕掛けるときに誰が行くのか、誰が起点になるのか。シャドーのふたりがならないといけないんですけど、なれてない。トップの3枚との距離がすごく離れてるんです。相手に引かれたときも、縦パスをパンと入れれる選手がいない。となると、サイドで裏に抜けるスピードのある選手だけで行こうとしてしまう。やっぱり、2シャドーのところが鍵ですよ」
実はオードラ・オポーレにおける松井の現ポジションも、4-3-3システムのインサイドハーフだという。
「なんで、僕自身もその難しさを実感してますよ。2枚でやるというのはいままでやったことがないし、ル・マンのときもふたりでしたけど、守備の場合、僕は戻らないでトップ下に固定だった。役割がはっきりしてたんで、ぜんぜん違う。いまはもうひとりの選手との関係がまったくのイーブン。かなり動くし、気を遣うし、攻撃の起点になって守備でも戻らないといけない。どこに正解があるのか分からないというのが正直なところ。レアルとかアトレティコの試合を観ながら参考にしてますね」
やはり日本代表のインサイドハーフには、欧州で揉まれ、研ぎ澄まされた実戦感覚を持つ者が配備されるべきではないか。本田や香川真司には明確なイメージがあるだろう。
「もちろん、彼らのような選手が上手くやらないといけない。必要かどうかじゃなくて、普通に出ないといけないですよ。そこを監督が、どういうピースとして持っていくのかでしょうね。手腕が問われるところやと思います」
<つづく>
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
───◆───◆───
PROFILE
まつい・だいすけ/1981年5月11日生まれ、京都府京都市出身。地元の藤森中から名門・鹿児島実高に越境入学し、メキメキと頭角を現す。3年時には高校選手権で準優勝を果たした。卒業後は京都サンガに入団。世代別代表でも持ち前の技巧とドリブルで存在を示し、2004年アテネ五輪ではナンバー10を背負う。同大会終了後に欧州挑戦をスタート。フランス2部のル・マンでスターダムを駆け上がり、サンテティエンヌ、グルノーブル(ともにフランス)、トム・トムスク(ロシア)、ディジョン(フランス)、スラビア・ソフィア(ブルガリア)、レヒア・グダニスク(ポーランド)と渡り歩いた。2014年春にジュビロ磐田に移籍し、10年ぶりのJリーグ復帰。3年半プレーし、今年8月にふたたび欧州へ旅立ち、現在はポーランド2部のオードラ・オポーレに籍を置く。日本代表では31試合・1得点の記録を残し、2010年南アフリカ・ワールドカップでベスト16進出に、翌年のアジアカップでは優勝に貢献した。Jリーグ通算211試合・25得点(うちJ2は116試合・18得点)。175センチ・68キロ。
公式ウェブサイト=http://matsuidaisuke.jp/
サッカージャンキー=http://soccerjunky.com/
「そういうことなんですよ。トップ下に2枚置いたときの動き方が分かってない。守備になると、中盤の真ん中3人が全員戻ってしまってる。じゃあ自分たちがカウンターを仕掛けるときに誰が行くのか、誰が起点になるのか。シャドーのふたりがならないといけないんですけど、なれてない。トップの3枚との距離がすごく離れてるんです。相手に引かれたときも、縦パスをパンと入れれる選手がいない。となると、サイドで裏に抜けるスピードのある選手だけで行こうとしてしまう。やっぱり、2シャドーのところが鍵ですよ」
実はオードラ・オポーレにおける松井の現ポジションも、4-3-3システムのインサイドハーフだという。
「なんで、僕自身もその難しさを実感してますよ。2枚でやるというのはいままでやったことがないし、ル・マンのときもふたりでしたけど、守備の場合、僕は戻らないでトップ下に固定だった。役割がはっきりしてたんで、ぜんぜん違う。いまはもうひとりの選手との関係がまったくのイーブン。かなり動くし、気を遣うし、攻撃の起点になって守備でも戻らないといけない。どこに正解があるのか分からないというのが正直なところ。レアルとかアトレティコの試合を観ながら参考にしてますね」
やはり日本代表のインサイドハーフには、欧州で揉まれ、研ぎ澄まされた実戦感覚を持つ者が配備されるべきではないか。本田や香川真司には明確なイメージがあるだろう。
「もちろん、彼らのような選手が上手くやらないといけない。必要かどうかじゃなくて、普通に出ないといけないですよ。そこを監督が、どういうピースとして持っていくのかでしょうね。手腕が問われるところやと思います」
<つづく>
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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PROFILE
まつい・だいすけ/1981年5月11日生まれ、京都府京都市出身。地元の藤森中から名門・鹿児島実高に越境入学し、メキメキと頭角を現す。3年時には高校選手権で準優勝を果たした。卒業後は京都サンガに入団。世代別代表でも持ち前の技巧とドリブルで存在を示し、2004年アテネ五輪ではナンバー10を背負う。同大会終了後に欧州挑戦をスタート。フランス2部のル・マンでスターダムを駆け上がり、サンテティエンヌ、グルノーブル(ともにフランス)、トム・トムスク(ロシア)、ディジョン(フランス)、スラビア・ソフィア(ブルガリア)、レヒア・グダニスク(ポーランド)と渡り歩いた。2014年春にジュビロ磐田に移籍し、10年ぶりのJリーグ復帰。3年半プレーし、今年8月にふたたび欧州へ旅立ち、現在はポーランド2部のオードラ・オポーレに籍を置く。日本代表では31試合・1得点の記録を残し、2010年南アフリカ・ワールドカップでベスト16進出に、翌年のアジアカップでは優勝に貢献した。Jリーグ通算211試合・25得点(うちJ2は116試合・18得点)。175センチ・68キロ。
公式ウェブサイト=http://matsuidaisuke.jp/
サッカージャンキー=http://soccerjunky.com/