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【小宮良之の日本サッカー兵法書】一戦術を追求したC大阪、一戦術に固執し過ぎたハリルジャパン

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年12月27日

柔軟な采配が戦いの鍵を握る

相手ではなく、自チームの選手に不自由を強いることとなってしまった、E-1選手権でのハリルホジッチ監督。縦への速さを追求する方法は、ロングボールだけではないはずだが……。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 E-1選手権では、ハリルホジッチはわざわざ縦に蹴り込ませてはボールを失い、それを正当化した。
 
 勝利から逆算したメソッドとして、北朝鮮、中国は(スキルで差があっただけに)繋ぐことで十分に崩せたはずだ。ところがむやみに蹴って相手にボールをプレゼントし、いたずらに攻撃のオプションを与えていた。それでも連勝できたが、実力の拮抗した韓国との戦いでは、その膿が出ることになったのだ。
 
 縦に速く攻める、というのは、ひとつの道理である。相手が守りを固めていない時、その選択肢は捨てるべきではない。むしろ、ファーストオプションでなければならない。
 
 世界的に見ても、リーガ・エスパニョーラで前半戦の台風の目になっているバレンシアは、名将マルセリーノ・ガルシア・トラル監督に率いられ、縦に速いサッカーを駆使している。
 
 トップには、速くて強く、そして高さもあるアタッカーを揃え、手数をかけずにフィニッシュまでいける。人材が揃っており、ポルトガル代表ゴンサロ・グエデスのフィジカルとテクニックの融合は、必見の価値がある。
 
 監督の柔軟な采配が、戦いの鍵を握る。
 
 繋げるか、縦に速いか、の二者択一で世界では戦えない。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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