【現地発】バルサの番記者がクラシコの勝因を分析「チーム全員の頑張りが根底に」

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2017年12月24日

指揮官が構築した組織的な戦術の中で

全員の力で前半を耐え抜いたバルサは、後半開始と同時に猛攻を開始。中盤を制し、マドリーゴールに再三襲い掛かった。(C)Getty Images

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 この前半の劣勢を凌いだことが、結果的に後半の爆発へとつながった。ジョルディ・アルバが自画自賛する。「後半は素晴らしい内容の試合ができた。胸を張ってもいい」。

 中盤の攻防を制し、相手のDFラインを下げさせ、マドリーの守護神ケイラー・ナバスにシュートの雨を降らせた。後半に限れば、パスの成功数はマドリーの190本に対してバルサは336本。シュートの数はマドリーの5本に対して14本と、スタッツからもバルサの優勢は一目瞭然だった。

 そして3つのゴールシーンでいずれも主役級の働きを見せたのが、他でもないメッシだった。先制ゴールの場面では、コバチッチのマークを引き付けることでドリブルで前進するラキティッチの進路を開けた。

 みずからPKを決めた2点目のシーンでは、ルイス・スアレスとのコンビでダニエル・カルバハルのハンドによるファウルを誘発。そして、マイナス方向への折り返しのクロスでアレイシ・ビダルの3点目をアシストした。

 クラシコ通算37試合で、25ゴール・13アシストを記録したメッシ。敵地サンチャゴ・ベルナベウでの試合に限れば、15ゴール・10アシストとさらに圧倒的な数字を残している。しかしイニエスタは、メッシの存在感はそうした記録の数々を超越したものだと断言する。

「メッシがチームに果たしている貢献度の大きさは、数字で測ることはできない」

 もっともこの日のバルサの勝利は、そうしたメッシの輝き以前に、チーム全員の頑張りが根底にあった。スアレスも証言する。「チーム全体のコンパクトな陣形から守備が連動し、効果的なプレスを仕掛けることができた」

 イニエスタはキャプテンらしく最後にこう締めくくってくれた。「バルサ独自のプレースタイルを維持しながら、日に日にチームとしての力がついていることを実感している」

 指揮官バルベルデが構築した組織的な戦術の中で、チームが攻守に高次元で機能し、メッシが決定的な仕事をやってのける。それこそがこの日のバルサの勝因だ。


文●フアン・イグナシオ・イリゴジェン(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
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