数年後は今野泰幸のような存在!? 王者川崎はなぜ派手さがない守備職人を選んだのか?

カテゴリ:Jリーグ

竹中玲央奈

2017年12月19日

「あんな選手がいれば、リザーブはひとりで良い」(中野監督)

 その守田だが、決して派手な選手ではない。高校時代はトップ下を務めオンザボールでのプレーを武器にしていたが、大学ではSB、CB、ボランチという後方の位置で鍛えられたことで、守備的な選手へと変貌を遂げた。「最初は足で(ボールを)獲りに行くという感覚だったけど、今は足を運んで身体で獲りに行けるようになった」とはデンソーチャレンジ後の守田自身の言葉だ。
 
「バチバチやること、球際やセカンド(をものにする)というところが持ち味。きれいにやるというよりも、そういった泥臭いところが好き」とも続けて語っていたが、そういった“肉弾戦”で大きな存在感を見せるタイプではない。ボランチやCBで組むパートナーの動きに合わせて、定位置を取り、高い危機察知能力で“掃除”をする。非常に気の利いた選手である。
 
「良いように言えば、気を使える選手だと思っている。隣にいる選手が上ってスペースが出来てしまったから、自分が埋めてあげたり、予測だったり危機管理だったり。前もって自分が保険をかけるというような、気を使ったプレーができる」
 守田自身もこう、自身の強みを口にする。
 
「どのポジションをやらせてもレベルが高いし、どこをやらせても一流なんですよ。もともとトップ下でオンザボールの選手だったのが、あれだけ献身的にプレーできる。フロンターレにいったら絶対に活躍しますよ。あんな選手がひとりいたら、リザーブはひとりで良いんじゃないかというくらいです」
 
 中野監督がこのように手放しで賞賛すれば、向島スカウトも「安定感のある守備でCB、SB、ボランチとどこでもできる。1年目からチャンスはあると思う」と期待を寄せる。
 
 王者となった川崎を後方から支える黒子として活躍する姿が描かれている守田だが、ひょっとすると、将来的には今野泰幸のような存在になるかもしれない。そんな期待感を、筆者は持っている。
 
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
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