【黄金世代】第5回・本山雅志「愛するアントラーズになぜ別れを告げたのか」(♯4)

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年12月07日

アレが帰化することになって、「ヤバいね。どうするよって話してました。シュンさんと

日本代表ではついぞゴールを挙げられず、2度のW杯出場のチャンスも逃したが、活動は6年間に及び、確かな足跡を残した。(C)SOCCER DIGEST

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 ワールドユースの後は、シドニー五輪代表メンバーに選ばれ、日本代表でも常連となった。残念ながら2002年、2006年と2度のワールドカップはどちらもエントリーできなかったが、フィリップ・トルシエ、ジーコの両政権下で存在を示した。
 
 A代表ではひとつの黒歴史がある。2000年6月8日のボリビア戦でデビューし、06年までコンスタントに招集され、28試合に出場した。しかし、ゴールは奪えずじまいだった。
 
「あんまり気にはしてないんですよね。得点にそこまでこだわりがないというか……それが良くなかったのかな(笑)。期待されてるのがそこだったのかは分からないけど、チームが勝つことが一番。そのためのひとつのピースとして機能的でありたいと、いつも思ってやってきたんで。代表は本当に楽しかったですよ。当たり前だけど周りがみんな巧くて、しかも世界のいろんなところに行かせてもらって、いろんなチームと戦えた。とくにジーコの代表はなかなか行けないような国にもいっぱい遠征しましたからね。ただ、代表で自分の持ち味を出せたかっていうと、そうでもなかったかもしれません。みんな個性が強い集まりで、どうしても僕は、自分が自分がってなれなかった。得意じゃないんですよ。任せてもみんなできちゃいますからね」
 
 本山が招集されていた当時の日本代表は、攻撃的MFのポジションにスタープレーヤーがひしめいていた。中田英寿、小野伸二、中村俊輔、小笠原満男、森島寛晃、三都主アレサンドロ……。トルシエジャパン時代、本山は中村とこんな会話を交わしたという。
 
「いつだったか、アレ(三都主)が日本に帰化することになって、すぐ代表入りするだろうって話で。同じ左サイドじゃないですか。それはシュン(中村)さんも同じで、『ヤバいね。どうするよ』って話してましたね。ただでさえサイドはシンジ(小野)もいて渋滞してるのに、大渋滞になっちゃうよって。でも僕なんかは、そうなればなるほど、実は楽しかったんですけどね。練習のレベルがグッと上がるじゃないですか」
 
 日本代表の試合は、最近になってよく観るようになった。期待を寄せているのは、34歳になった不動のキャプテンだ。
 
「頑張ってほしいんですねぇ、長谷部(誠)には。一緒に代表でやってた選手では最後の世代くらいじゃないかな。応援してますよ。来年のワールドカップでも暴れてほしいです」
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