【現地発】インテルの「豹変」がセリエAに「異変」を起こす!

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年12月07日

変わったのは監督、センターラインの顔ぶれ。

新戦力は地味ながらも貢献度が高い。中でもシュクリニアル(左)は早くも最終ラインの不可欠な存在に。写真:Alberto LINGRIA

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 つまり、この混戦状態をもたらしたのはインテルとナポリの成長だということができる。とくに際立っているのは、15節に約2年ぶりの単独首位に立ったインテルの「豹変」ぶりだ。
 
 中国の蘇寧グループがオーナーとなって1年目の昨シーズンは、プレシーズンのマンチーニ解任にはじまり、フランク・デブール、ステーファノ・ピオーリとさらに2人の監督をクビにする混迷に陥って、CLはおろかヨーロッパリーグ出場権にも手が届かない7位でシーズンを終えた。
 
 ところが今シーズンは、昨シーズンと大きく変わらないメンバーをピッチに送り出しながら、見違えるようにソリッドで安定したチームになった。システムもピオーリ時代と変わらない4-2-3-1。変わったのは監督、そしてセンターラインの顔触れである。
 
 2年間率いたローマを離れてミラノにやってきたルチアーノ・スパレッティ監督がやったのは、チームに革新的な新戦術を導入することではなく、現有戦力の強みを見極めてそれを最大限に引き出せるように戦い方を整理することだった。具体的に言えば、守備の安定化と攻撃メカニズムの明確化である。
 
 守備戦術の鍵は、最終ラインの間隔を詰めて幅を狭く保つことによって、最も失点に繋がりやすい中央の密度を高めたこと。CBに高さと強さだけでなく、優れた戦術センスと高い集中力も併せ持つミラン・シュクリニアル(サンプドリアから獲得)が加わったことで、4バックの組織的な連携が大きく改善されたことも大きい。
 
 両SBが内に絞り気味のポジションを取る分、サイドの守備はアントニオ・カンドレーバ、イバン・ペリシッチというウイングの帰陣によって対応する場面も多い。これによってチームの重心はやや低めになるものの、ボール奪取時のポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)では、低めの位置からスタートを切った両ウイングによるカウンターアタックが発動しやすくなっている。
 
 カンドレーバとペリシッチはオープンスペースで前を向けばトップスピードのドリブルで一気に40~50メートルを持ち込む推進力と、そこから質の高いクロス、シュートを繰り出すクオリティーの持ち主。カウンターアタックはもちろん、ビルドアップからの攻撃においても、彼らがドリブルで持ち込んでクロスを折り返す形を作ることが大きな狙いになっている。ここまでの1試合平均26本のクロスはリーグ最多の数字だ。
 
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