ソーシャルメディアの存在がセラピー的役割を。
ビベスによると、アセンホの今回の復帰にあたり、セラピー的役割を果たしたのがソーシャルメディアの存在だった。毎日のリハビリの経過をソーシャルメディアを通じて発信しながら、世界中の人々と交流することで無数の励ましの言葉をもらい、それをまた毎日の活力にしてきたのだ。
その中には同じような重度の怪我に苦しんでいる人たちも少なくなく、彼らもまた「セルヒオ、君はまさにお手本だ」といった類のメッセージを送りながら、アセンホの頑張りを励みにしていた。「ソーシャルメディアでの交流は、アセンホのエネルギー源になっていた」。ビベスもその効果のほどを認めている。
さらにビベスは、4度のリハビリを経験したアセンホは“膝の怪我の専門家”にもなっていると説明する。「フォロワーの中にはどの段階でランニングを始めたか、ジャンプ系の練習を取り入れたのかといったリハビリ関連の質問も多いようでね」
アセンホはそうした質問に丁寧に答え、疑問を解決してあげているという。
「プロの選手は重度の怪我を負ったとき、自分の身体と真剣に向き合う必要に迫られる。リハビリの成果はその向き合い方にかかっていると言ってもいい。セルヒオはその点、4度の怪我を経験しているから、知識も豊富で、言うなれば膝の怪我のエキスパートになっている」
いまビジャレアルでは、同じくGKのアンドレス・フェルナンデスがやはり膝の前十字靭帯の怪我(2節のレアル・ソシエダ戦で負傷)から復帰をめざしているが、ビベスによれば、アセンホはその大きな支えにもなっているようだ。
「痛みが出たときにどう対処するか、膝の曲げ伸ばしのやり方など、セルヒオはそれは親身になってアドバイスをしてくれている。いまやリハビリ担当トレーナーのひとりと言ってもいいくらいだ」
アセンホは強い意欲と不断の努力でまたしてもピッチに戻ってきた。「267日と一口で言うけど、それは長い道のりだった。8か月以上、自分との戦いの連続だった。でもそれがサッカーの神様が僕に与えた試練と考えて、前向きに頑張ってきた」
「アセンホの頑張りが報われるためにも、ワールドカップのメンバーに選ばれて、ロシアの地に立ってもらいたい」。ビベスはこう期待を込める。不可能を可能にする不死鳥アセンホ。彼の努力はこれからも続いていく。
文●ハビエル・ペレス(エル・パイス紙/ビジャレアル番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
その中には同じような重度の怪我に苦しんでいる人たちも少なくなく、彼らもまた「セルヒオ、君はまさにお手本だ」といった類のメッセージを送りながら、アセンホの頑張りを励みにしていた。「ソーシャルメディアでの交流は、アセンホのエネルギー源になっていた」。ビベスもその効果のほどを認めている。
さらにビベスは、4度のリハビリを経験したアセンホは“膝の怪我の専門家”にもなっていると説明する。「フォロワーの中にはどの段階でランニングを始めたか、ジャンプ系の練習を取り入れたのかといったリハビリ関連の質問も多いようでね」
アセンホはそうした質問に丁寧に答え、疑問を解決してあげているという。
「プロの選手は重度の怪我を負ったとき、自分の身体と真剣に向き合う必要に迫られる。リハビリの成果はその向き合い方にかかっていると言ってもいい。セルヒオはその点、4度の怪我を経験しているから、知識も豊富で、言うなれば膝の怪我のエキスパートになっている」
いまビジャレアルでは、同じくGKのアンドレス・フェルナンデスがやはり膝の前十字靭帯の怪我(2節のレアル・ソシエダ戦で負傷)から復帰をめざしているが、ビベスによれば、アセンホはその大きな支えにもなっているようだ。
「痛みが出たときにどう対処するか、膝の曲げ伸ばしのやり方など、セルヒオはそれは親身になってアドバイスをしてくれている。いまやリハビリ担当トレーナーのひとりと言ってもいいくらいだ」
アセンホは強い意欲と不断の努力でまたしてもピッチに戻ってきた。「267日と一口で言うけど、それは長い道のりだった。8か月以上、自分との戦いの連続だった。でもそれがサッカーの神様が僕に与えた試練と考えて、前向きに頑張ってきた」
「アセンホの頑張りが報われるためにも、ワールドカップのメンバーに選ばれて、ロシアの地に立ってもらいたい」。ビベスはこう期待を込める。不可能を可能にする不死鳥アセンホ。彼の努力はこれからも続いていく。
文●ハビエル・ペレス(エル・パイス紙/ビジャレアル番記者)
翻訳:下村正幸
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