「光栄だし、ひとりの人間として幸せな気持ちになる」
これがきっかけとなったのか、先日のユベントス戦でも、82分にジョルディ・アルバとの交代でベンチに退くイニエスタを、ユベントス・スタジアムの観客たちは総立ちとなりスタンディングオベーションで見送った。
試合後、イニエスタは感慨深げにこう語った。
「ホームだけでなくアウェーのファンからも愛情を示してもらえるなんて、本当に素敵なことだ。集団の間で起こるこういう反応というのは、強制されて生まれるものではない。だからこそ光栄に思うし、選手としてだけでなく、ひとりの人間として幸せな気持ちになる」
この試合、イニエスタは決して突出したパフォーマンスを見せたわけではない。スペースを創出するよりもスペースを消すことを優先する戦いをしたこの日のバルサにおいて、中盤で劣勢を強いられ、持ち味を発揮することはできなかった。
パス成功数が61本(数年前までは80本以上を記録するのが当たり前だった)、パス失敗数が5本、ボール奪取が7回、ボールロストが11回、シュートが0本というのが、ユベントス戦でイニエスタが記録したスタッツ。数字の上ではほぼノーインパクトだ。
しかしイニエスタは、そうした単なるピッチ上でのパフォーマンスを超越し、万人から愛されるステータスと資格を、長いキャリアを通して手に入れたのである。
文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
試合後、イニエスタは感慨深げにこう語った。
「ホームだけでなくアウェーのファンからも愛情を示してもらえるなんて、本当に素敵なことだ。集団の間で起こるこういう反応というのは、強制されて生まれるものではない。だからこそ光栄に思うし、選手としてだけでなく、ひとりの人間として幸せな気持ちになる」
この試合、イニエスタは決して突出したパフォーマンスを見せたわけではない。スペースを創出するよりもスペースを消すことを優先する戦いをしたこの日のバルサにおいて、中盤で劣勢を強いられ、持ち味を発揮することはできなかった。
パス成功数が61本(数年前までは80本以上を記録するのが当たり前だった)、パス失敗数が5本、ボール奪取が7回、ボールロストが11回、シュートが0本というのが、ユベントス戦でイニエスタが記録したスタッツ。数字の上ではほぼノーインパクトだ。
しかしイニエスタは、そうした単なるピッチ上でのパフォーマンスを超越し、万人から愛されるステータスと資格を、長いキャリアを通して手に入れたのである。
文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。