【現地発】デ・ブルイネの「インテリジェンス」がマンCの圧倒的な破壊力を生む

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田嶋コウスケ

2017年11月28日

ランパードや恩師が「賢さ」と「冷静さ」を褒める。

デ・ブルイネはパスはもちろん、ときおり仕掛けるドリブルやミドルも一級品。そのプレーからは品格すら漂う。(C)Getty Images

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 背番号17は静かにこの場面を振り返る。
 
「あのアシストはお気に入りのひとつさ。レロイ(ザネ)の走り出しと同時に、DFラインの背後に大きなスペースがあるのが分かった。ただ、相手GKが前に出てこられない場所に入れることも必要だった。つまり、カーブをかけてレロイの足元に付けなければいけなかったのさ。パスの難易度は極めて高かった。カーブをかけずに真っ直ぐボールを蹴っていたら、通らなかっただろうからね。味方の動き出しが見えたら、彼らを信じてパスを出す。僕の意図を感じ取って走り出してくれる、ってね。呼吸が合わなければ、間抜けなトライに映るだろう。だが、僕の狙い通りに動いてくれたら、最高の形でチャンスになる」
 
 元イングランド代表MFのフランク・ランパードは、そんなデ・ブルイネのストロングポイントが「知性にある」と指摘する。
 
「ファーストタッチも、パスの精度も完璧。大胆なプレーもお手の物だ。ただ、彼を欧州最高峰の選手に引き上げているのは、インテリジェンスに他ならない」
 
 そんな「冷静さ」と「賢さ」を強みに挙げるのは、17歳からデ・ブルイネを知るピエール・デニールも一緒だ。ヘンクで暫定監督を務めた当時に直接指導した恩師はこう語る。
 
「彼の長所は知性にある。周囲の状況を見て、次に何をすべきか、どんなプレーが効果的かの判断を冷静に下せるんだ。相手よりもずっと先に、そして正確にね。当時からこの特性は光っていた。だから私は17歳の彼をプロデビューさせたんだ」
 
 あれから9年の歳月が流れ、デ・ブルイネはさらに進化した。味方が前方へ走り出せば、ゴールに直結する場所へスルーパスを通す。カウンターアタック時には、ドリブルで長い距離を走って好機を引き出す。そして、相手の守備に綻びが見えれば、力強いミドルシュートでネットを揺らす──。戦術アナリストのエイドリアン・クラーク氏が「デ・ブルイネの真価は無駄を省いた機能美にある」と指摘するように、一つひとつのプレーに迷いがないうえに冷静かつ正確で、しかも実効性が高い。
 
 在任2シーズン目を迎えたグアルディオラ政権は、チーム全員が高い次元でひとつのプレーイメージを共有している。その中でデ・ブルイネは、発想力とテクニック、そして冷静さと賢さで、チームのエネルギーとリズムを生み出しているのだ。
 
文:田嶋コウスケ
 

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