浦和に関わるすべての人へ「おめでとう」
この試合で浦和はふたつの戦い方の選択を迫られていた。というのも、彼らは第1レグでアウェーゴールを奪ったうえで、1-1という結果を得ていたからだ。
とくにスコアレスで折り返した後半は、「攻めるのか? 守るのか?」 でチーム内にも精神面でのブレが出やすい展開となったが、ここで堀孝史監督のマネジメント力が光った。彼らは、完璧に統率の取れた連動性を披露したのだ。
後半が始まってから間もなくは、アル・ヒラルが猛攻を仕掛けて浦和を自陣深く押し込んだ。しかし、守り切るという意思統一がされた赤い壁は、一糸乱れぬパフォーマンスを貫く。あの時間帯に点を失えば、逆の結果になっていた可能性もあっただけに、その集中力と守備の強度には賛辞を贈りたい。
そして、大会MVPを受賞した男にも触れねばならないだろう。10番を背負ってピッチを駆け回った柏木陽介だ。
全体的に疲れも見え始めた70分頃にもカウンターで敵陣へと飛び出し、また、セットプレーで好機を演出した柏木のプレーは、アル・ヒラルを大いに焦らせ、浦和に落ち着きを取り戻させた。
私の見立てでは、決勝弾を決めたR・シルバよりも柏木のほうが、英雄と呼ぶに相応しいと思える。それくらいに彼の創造的なプレーは傑出していた。
日本に9年ぶりのアジアタイトルをもたらした浦和。その長きに渡る空白の時間を鑑みても、今回のACL制覇はきわめて意義が高いものだと思う。彼らは日本サッカーを前進させるために大きな成果を上げたのだ。
いまはただ、浦和に携わるすべての人々に『おめでとう、よくやった』という言葉を贈りたい。
取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
とくにスコアレスで折り返した後半は、「攻めるのか? 守るのか?」 でチーム内にも精神面でのブレが出やすい展開となったが、ここで堀孝史監督のマネジメント力が光った。彼らは、完璧に統率の取れた連動性を披露したのだ。
後半が始まってから間もなくは、アル・ヒラルが猛攻を仕掛けて浦和を自陣深く押し込んだ。しかし、守り切るという意思統一がされた赤い壁は、一糸乱れぬパフォーマンスを貫く。あの時間帯に点を失えば、逆の結果になっていた可能性もあっただけに、その集中力と守備の強度には賛辞を贈りたい。
そして、大会MVPを受賞した男にも触れねばならないだろう。10番を背負ってピッチを駆け回った柏木陽介だ。
全体的に疲れも見え始めた70分頃にもカウンターで敵陣へと飛び出し、また、セットプレーで好機を演出した柏木のプレーは、アル・ヒラルを大いに焦らせ、浦和に落ち着きを取り戻させた。
私の見立てでは、決勝弾を決めたR・シルバよりも柏木のほうが、英雄と呼ぶに相応しいと思える。それくらいに彼の創造的なプレーは傑出していた。
日本に9年ぶりのアジアタイトルをもたらした浦和。その長きに渡る空白の時間を鑑みても、今回のACL制覇はきわめて意義が高いものだと思う。彼らは日本サッカーを前進させるために大きな成果を上げたのだ。
いまはただ、浦和に携わるすべての人々に『おめでとう、よくやった』という言葉を贈りたい。
取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)