FC今治でのラストシーズンに懸けた想いの丈を激白! 元日本代表の山田卓也が引退を表明…

カテゴリ:Jリーグ

小須田泰二

2017年11月23日

「チームのなかでなにか一番にならないとプロとして生きていけない」

プロとしてのキャリアは東京Vから始まった。入団当初は「チームで一番下手くそなんだって思った」という。(C) SOCCER DIGEST

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 恵まれたフィジカルに加え、日々のメンテナンスを重ね、現役時代を通じて怪我知らずの選手だった。今回の膝の軟骨損傷は、サッカー選手になって初めての大怪我となり、入院、手術、車椅子生活を初めて経験した。走り回ることがなによりの喜びである山田にとって、リハビリ作業は、言い換えれば、ストレスとの戦いでもあった。
 
「やっぱり、一番のストレス発散は汗をかくことだから。昨日よりも痛みがなく走れただけでも嬉しいし、昨日よりもバランスを崩さずにリフティングができたり、昨日よりも狙いどおりにパスが蹴れただけでも、本当に笑顔になれる。思い通りの動きができるだけでテンションが上がるのだから、山田卓也という選手は、本当に単純な人間だ」
 
 だからこそ、最後になるかもしれないこの3か月間は、今まで以上に一瞬一瞬を大事に過ごしてきた。“一瞬一瞬”のところでも勝負にこだわることで、山田はプロ選手としてのハングリー精神を身につけて、自分にしかない武器を見つけることができたという自負がある。
 
「元々、プロは一瞬一瞬を大事にすることが大切で、とくに俺なんて、すごい才能があったわけでもないから。よく最近、若い選手に言うんだけど、自分で勝負できる武器を持てと。俺は最初にプロになった時、ヴェルディに入って自分がチームで一番下手くそなんだって思った。それならなんだったら勝てるのか。逆にボールを持たなかったら勝てそうだなと思った。
 
 だったら球際を激しく行こうとか、誰よりも声を出そうとか。それが生きる道だと思った。チームのなかでなにか一番にならないとプロとして生きていけない。10メートルだったら走り負けないかなとか。シャトルランの1本目だけは一番になれるとか。起き上がるのは一番かなとか。ご飯を食べる量だけは負けないとか。今治の選手には、そういう日々の小さなところから勝負にこだわって、小さなモノでもいいから、一番になれそうな武器を見つけてほしいと思っている。小さな競争でも負けたくない。そういうハングリー精神を持ってほしい」

ジーコジャパン時代の日本代表にも選出され4試合に出場。日本を代表するユーティリティプレーヤーとして成長を遂げた。(C) SOCCER DIGEST

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