【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|京都橘編

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2014年05月08日

連敗脱出へ、それぞれが持つ強い決意。

 失点の多い守備の修正は課題だが、最終ラインの綻びというよりは中盤の機能不全による影響も大きいため、攻撃の課題と切り離せないところだ。米澤監督も「決めていれば負け方も変わってくる。後ろも踏ん張れるようになる。失点が最終ラインだけの責任だとは思っていない」と分析している。
 
 進むべき道は、守備の改善か、決定力不足の改善か。いずれにせよ、連敗を早く止めないことには、状況は厳しくなる。中野は「ここまで勝点が取れないと焦って来ると思う。早く1勝したい。1勝すれば変わると思う」と素直な心境を明かした。
 
 現状ではチーム力が高いとは言えないが、攻撃面ではU-14日本代表選抜の経験がある1年生FWの岩崎悠人の成長、守備面では林の完全復帰という今後の伸びしろが見込める材料はある。

 精神的支柱でもある林は「自分が入ったら、失点を減らすことが一番。4連敗の責任を感じている。内容的に力の差が他チームと少しあるけど、勝てないとは思わない。3節の広島ユース戦では自分が入っても流れを変えられなかった。反省して、声を出して雰囲気を変えようと思った」と、京都U-18戦では終盤の交代出場ながら、チームの雰囲気を締めてみせた。
 
 思えば、昨年も順風満帆なスタートではなかった。夏のインターハイは京都府予選で敗退。そこからチーム力を上げて冬の高校選手権で全国ベスト4という結果につなげた。シーズンはまだ始まったばかり。開幕4連敗は厳しい現実だが、残留・降格を語るには時期尚早だ。京都橘は、5節でC大阪U-18と対戦した後、インターハイの京都府予選を戦う。中断前に浮上のきっかけを掴むのか。それとも中断期間がきっかけとなるのか。
 
 DF倉本は「決めるべきところを決めること。それから、僕たち最終ラインが耐え切ることが課題。一昨年や昨年は、先制点を取って試合の流れを掴むゲーム運びの上手さが長所だったと思っている。だから、その後に良いカウンター攻撃もできていた。(小屋松)知哉君や(宮吉)悠太君、(永井)建成君たちが死に物狂いで(プリンスリーグ関西から)上げてくれたステージなので、そう簡単には落とせないという気持ちがある」と巻き返しにかける強い気持ちを明かした。
 
 苦しいスタートから何を見出し、成長の糧とするのか。高校選手権準優勝というブレイクから3年目にして迎えた正念場。「小屋松が抜けたら終わり」とは言わせまい。

取材・文*平野貴也(フリーライター)
 
【関連記事】
【U-18プレミアリーグ】4節ピックアップ・ゲーム [WEST]京都橘 対 京都U-18
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|神戸U-18編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|名古屋U18編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|東京Vユース編
【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|市立船橋編

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ