【現地発】 テストマッチも収穫多々! ドイツ代表、W杯連覇に向けて一切の緩みなし!!

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年11月16日

本番前の無敗記録には何の意味もなし

過去数大会を振り返ると、前回王者は不甲斐ない成績に終わる確率が高いが、ことドイツに関してはその心配はなさそうだ。リオでの歓喜を、モスクワで再現できるか。 (C) Getty Images

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 ギュンドアンが好プレーを披露したことも、ドイツにとっては朗報だろう。まだ本調子には程遠いが、本大会に向けて大きなオプションになることを示した。
 
 そして、そのギュンドアンとの交代でピッチに姿を現わしたのが、マリオ・ゲッツェだった。昨年のイタリア戦以来となる代表復帰である。
 
「ここに戻ってくるために長いあいだ、頑張ってきたんだ」
 
 そう語るゲッツェはアディショナルタイムの3分、エジルのパスをダイレクトで、フリーで走り込んだラース・シュティンドルへ流して、見事なアシストを決めた。
 
 ドイツからすれば、テストマッチとして試したいことを試しながら、結果的にも内容的にも満足のいくものとなった、非常に価値のある2試合だと言えるだろう。
 
 それでも、レーブ監督は手綱を緩めるつもりは毛頭なく、こう選手に呼びかけた。
 
「達成したことに満足してしまっては、そこから先は下り坂しかない。メンバー入りを果たす23人は全員、大会に向けて毎秒、毎分、トップパフォーマンスを出せるような最高レベルになければならない」
 
「トップレベルの準備、トップレベルの選手、トップレベルのコンディションが必要だ。それができて、初めてタイトルが可能になる。あらゆる障害を乗り越えていくという意思を呼び起こさなければならない」
 
 EURO2016準決勝でフランスに敗れて以来、ドイツは20戦負けなし。だが、そんな無敗記録は、何の意味も持たない。かつて「無敵艦隊」といわれたスペインが1998年フランスW杯の前に31戦無敗という数字を残しながら、本大会ではグループステージで姿を消したこともあった。
 
 目指すべきは、さらなる高み。W杯連覇を達成するために、ドイツはこれ以上やることはないというところまでの準備を施して本大会に臨む。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
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