レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第30回・カンナバーロ(元イタリア代表)

カテゴリ:PR

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年11月02日

黄金のトロフィーを主将として掲げた2006年

安定した守備を軸に、快進撃を見せたイタリアは24年ぶりに世界の頂点へ。カンナバーロが果たした役割は極めて大きかった。 (C) Getty Images

画像を見る

 1対1に強く、ボール奪取の能力にも長け、176センチとCBとしては小柄ながら、長身かつ屈強な相手に当たり負けせず、さらに空中戦でも競り勝てるという、まさに堅守の伝統を持つカルチョの象徴とも言えるカンナバーロは、当然ながらイタリア代表でも不可欠な存在だった。
 
 年代別代表にも名を連ね、94年、96年にU-21欧州選手権優勝に貢献。ここで、アレッサンドロ・ネスタとのCBコンビが形成される。エレガントなプレーが光る“天才”との、互いをカバーする息の合った連係は、後に「アッズーリ」の名物にもなっていく。
 
 96年にはアトランタ・オリンピックに出場。グループステージ敗退を喫したものの、国際経験を積んだカンナバーロは、97年1月22日の北アイルランド戦(親善試合)でA代表デビューし、同年のフランス・ワールドカップ欧州予選を経て、98年には初のW杯出場を果たした。
 
 このビッグイベントでアッズーリの最終ラインに立った彼は、チリ戦ではマルセロ・サラスにヘディングで競り負けてゴールを許したものの、ノルウェー戦では17センチもの身長差がある巨漢FWトーレ・アンドレ・フローを完全に封じて、その真価を見せ付けた。
 
 ベスト8に終わったフランスW杯から2年後、イタリアはEURO2000で決勝へ進出。ディノ・ゾフに率いられたチームは、前評判を覆し、高い攻撃力を誇るチームとなっていたが、その基礎はカンナバーロらを擁する堅固な守備によって作られていた。
 
 イタリアは順調に勝ち進み、準決勝では開催国のオランダに数的不利を強いられながらもピンチの連続をチーム一丸となってはね返し続け、ついにPK戦まで持ち込んで勝利。そしてフランスとの決勝でも、堅固な守備で1点を守りながら後半アディショナルタイムに突入したが、最後の最後でゴールを許し、延長戦で力尽きた。
 
 ここから、イタリアは低迷の時期に入る。2002年日韓W杯では苦しんで何とかグループステージを突破するも、決勝トーナメント1回戦で開催国・韓国に延長戦で敗北。カンナバーロは、相棒ネスタの怪我による欠場などで調子が上がらず、失点を防ぐことができなかった。
 
 それから2年、パオロ・マルディーニからキャプテンの座を継承して臨んだ最初のメジャー大会、EURO2004ではデンマーク、スウェーデンに連続して引き分けたのが痛く、最終戦でブルガリアに勝ったものの、グループステージ敗退の憂き目に……。
 
 こうして連続して屈辱を味わったアッズーリが、捲土重来を期して臨んだ06年ドイツW杯。大会前のイタリアの話題といえば、自国に激震を起こした八百長スキャンダルに関するものがほとんどだったが、攻守のバランスが取れたチームは好調を維持し、大会開幕後も勝利を重ねていった。
 
 攻撃力も高いアッズーリだが、その骨子はやはり守備にあった。グループステージ3試合を1失点で乗り切り、決勝トーナメントでも準決勝まで無失点。フランスとの決勝ではジネディーヌ・ジダンのPKで先制を許したものの、以降は堅守を維持した。
 
 PK戦の末に、ついに世界一に昇り詰めたイタリア。小さなキャプテンは、黄金のトロフィーを最初に受け取り、ベルリンの夜空に掲げた。今回も相方のネスタは途中で怪我に倒れたものの、カンナバーロは最後まで強力DF陣を牽引し、支え続けた。
 
 この功績を称えられ、前述の通り、DFとしては前例の少ないバロンドール受賞を果たしたカンナバーロ。残念ながら、続く2つのメジャー大会では、EURO2008で負傷欠場、王座防衛が期待された10年南アフリカW杯はグループステージ敗退と、栄光の再現はならなかったが、それが彼のキャリアを傷付けることはなかった。
 
 ブッフォンに次ぐ歴代2位となる136試合出場(2得点)という記録を残し、カンナバーロは南アフリカW杯後に代表選手としてのキャリアに幕を閉じた。そしてクラブレベルでも、この直後にユベントスを去り、UAEのアル・アハリに移籍。1年を過ごした後、今度はプロ人生にも別れを告げたのだった。
 
 引退後は、アル・アハリのスタッフを経て、14年には中国の広州恒大の監督に就任。翌年にサウジアラビアのアル・ナスルを率いた後、16年には再び中国に戻り、現在は天津権健の監督を務めている。
 
 ユニホームを脱いだ、堅守カルチョの象徴は、ここまで国外での活動が続いているが、いずれセリエA、そしてアッズーリを指揮する姿を見たいと、多くのファンが願っているに違いない。

300万DL到達の戦略サッカーシミュレーションの決定版!

ユーザー自身がオーナーとなって理想のサッカークラブを作り上げる、スマートフォン用育成シミュレーションゲーム「ポケサカ」(対応OSはiOS、Android、端末対応はKindleFire)。今回はカンナバーロが初登場。「カンナバーロカップ」にエントリーして、「イタリア版カンナバーロ」を手に入れよう。詳細はアプリ内お知らせでチェック!!
 
公式HP:http://www.pksc.jp/
公式twitter:@PocketSoccer_PR
 
 APP storeからダウンロード
https://itunes.apple.com/jp/app/id572515596
 Google playからダウンロード
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.newstech.awakereset
 KindleFireでダウンロード
http://www.amazon.co.jp/dp/B00L94O82W
【関連記事】
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第29回・ロマーリオ(元ブラジル代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第28回・ロナウド(元ブラジル代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第27回・マルディーニ(元ミラン/元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第26回・ギグス(元マンチェスター・ユナイテッド/元ウェールズ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第25回・ゾフ(元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第24回・ロッベン(バイエルン/オランダ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第23回・デル・ピエロ(元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第22回・ベルカンプ(元オランダ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第21回・スコールズ(元イングランド代表)

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ