キャリアのラストを迎える石川直宏――最後にもう一度、突き抜けろ!

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年11月01日

限界は自分が作ってしまうもの。

石川が『週刊サッカーダイジェスト』に登場した2003年1月の茂庭との対談(右)、2004年1月のインタビュー(左)。

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 2004年1月発売号のインタビュー「限界と可能性」では、『東京都人権啓蒙活動ネットワーク協議会「人権メッセージ集」』に、石川が次のような想いをつづっていたことを引用している。
 
限界は自分が作ってしまうもの
可能性は無限に広がっているのだから…
難しく考えなくたっていい
自分を信じて
自分のペースで
                                         
 2003年、22歳の石川はFC東京とアテネ五輪代表の主力に定着し、12月にはA代表デビューを果たしている。自身の新境地を切り開くなか、同年10月に記したこのメッセージに込めた想いについて、彼は語っている。
 
「僕のありのままの気持ちでした。昨シーズンは、武器であるスピードを生かすことを追求しながら、試合中に判断しながら、攻撃のバリエーションが増えました。そのなかで、苦手だった左足をひとつの新たな武器にできたことは大きかったです」
 
 鋭い閃光を放つ稲妻のように突き抜ける縦へのドリブル突破に加え、カットインからの左足のシュートを身に付けて、公式戦通算8ゴールを奪取。アマラオや佐藤由紀彦が牽引してきたFC東京で、新たなチームの顔と言える存在になっていった。
 
 一方、当時は代表チームの対外試合が今以上に活発に行なわれ、石川はA代表、アテネ五輪代表(U-21~23代表)、そしてFC東京と3つのチームを行き来するなか、コンディションが上がらず苦しんだ時期があったとも明かしている。
 
「夏頃、何かやろう、やろうとするたびに、空回りしてしまい、ちょっと悩んだ時期がありました。悪いほうに行くと、もっとやらなきゃと思い、逆にハマってしまう。それも初めての体験でした。ただ、そこで難しく考えず、もっとシンプルに対処するようになっていきました」
 
「何事も経験をしないと、その先へは進めない。厳しい環境のなかでも力を出し切る自信を掴みたい。そのうえで、一番大切なのはFC東京での戦い。ここで結果を残せなければ、あらゆる可能性なんて見えてこないって思いました」
 
 そして彼はそのシーズンの目標として、色紙にこう書いた。
 
『どんな状況でも自身を出し切る!』
 
 そのストレートな言葉からは、今も変わらない石川が貫いてきた哲学が感じられる。
 
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