【現地発】メッシの信頼も即座に勝ち取る! バルサ新監督の卓越したマネジメント能力

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2017年10月25日

称賛の声にもあくまで冷静さを失わない。

トラブルが続くバルサをしっかりコントロールするバルベルデ。記者会見ではウィットに富んだ発言も。(C)Getty Images

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 バルベルデのこうしたチームの顔としての高い発信力は、就任から直面してきた度重なる災難の中でも、チームが静かな航海を維持することができる原動力にもなってきた。
 
 プレシーズン期間中にネイマールのパリSG移籍が決定すると、「出て行ってしまった選手のことを考えても仕方がない。ネイマールのプレーは大好きだった。でも今ではウスマンヌ・デンベレの大ファンだ」と切り返す。そのネイマール退団のショックが尾を引く中、迎えたスペイン・スーペルコパで宿敵レアル・マドリー相手に2戦合計1-5で大敗を喫すると、「落ち込んでいる場合ではない。前を向いていこう」と発言。いかなる難局に直面しても、前向きにチームを牽引してきた。
 
 その後も、期待を寄せたデンベレの怪我による長期離脱、現フロントに対する不信任動議に向けた著名活動、カタルーニャの独立問題と、バルサではピッチ内外でアクシデントや騒動が続いた。記者会見中でその一つひとつを列挙されると、「ちょっと待ってくれ」と笑顔で記者の質問を遮るや、「退屈な100日ではなかったことは確かだな。これからはもう少し平穏な毎日を過ごせることを願っているよ」とウィットに富んだ回答で切り返した。
 
 こんな指揮官に対して、ファンの支持も日増しに高まっている。ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は、この両者の蜜月の関係を「バルベルデはファンのハートを掴んだ」と表現する。ただ、結果が占める比重の大きさを熟知するバルベルデは、「サッカーでは離れたり戻ったり、人の心はコロコロと変わる。もちろん今の状態が1日でも長く続くことに越したことはないけどね」とあくまで冷静さを失わない。
 
 バルベルデは就任100日にしてファンに対しては前向きかつ冷静な発言で、選手に対しては卓越した求心力と的確なチームマネジメントで信頼とリスペクトを勝ち取った。その象徴が冒頭のメッシとのシーンだった。ベルベルデ政権はまずは快調な滑り出しを見せている。
 
文:ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
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