残り4試合となって降格圏に沈んでいる。広島は勝点をひとつでも多く積み上げたい状況にあり、試合内容に希望を見出している場合ではないかもしれない。現実的な戦いへシフトしていくという選択肢も考えて然るべきだろう。しかし、稲垣が語ったブレない強さもまた、残留争いを勝ち抜く上で重要な要素となるのは間違いない。
甲府でプロのキャリアをスタートして常に残留争いに身を置いてきたからこそ、稲垣の「チームの方向性がブレずにひとつに向いていることがとにかく大事」という言葉には説得力がある。覚悟を持ってアグレッシブにピッチを駆ける稲垣は、メンタル的な部分においても残り4試合のキーマンになりそうだ。
取材・文 寺田弘幸